2017年4月3日月曜日

弁護士,裁判官,司法試験合格者 等の人物検索

法情報検索 各論 5 人物検索 1

司法試験合格者
司法修習修了者
および
検事二級( 東京地方検察庁検事 )
判事補の任官者
問い合わせが多くあります。

それらについて
無料 の 官報閲覧サービス
検索する場合は
官報 インターネット版 - 国立印刷局
官報検索! - 官報を全文検索できる無料サービス
などのWebサイトがありますが
閲覧ができるのは
直近30日間分 のみですので
公表時期を見計らって
検索するとよいでしょう。

“近年の概ねの”
公表時期は次の通りです。


● 司法試験合格者
概ね
9月末から10月初めに公表。


● 司法修習生の修習を終えた者
概ね
1月初旬から中旬に公表。


● 判事補任命
概ね
1月中旬に公表。


● 検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命

概ね
12月末から1月初めに公表。



有料の
「 官報情報検索サービス 」 ならば
日付を設定して
検索キーワードに
姓名を入力するなど
といった
検索方法があります。

ただし
テキストページでの検索 では
旧字,異体字,簡体字 等で
登録されている姓名の方の場合
文字が反映されず
姓名を入力しても
検索できない場合がありますので
頭に入れておいてください。


オーソドックスな調査法
官報本紙 を官報販売所で購入するか
図書館 を利用して
官報本紙 に当たるか
「 官報情報検索サービス 」
契約があれば
そちらを利用するとよいでしょう。


国家試験合格者 について
官報公告される試験 については
法令にその旨の記載 がされています。
例えば
司法試験法施行規則 第6条
弁理士法施行規則 第11条
税理士法施行規則 第7条
など
には
氏名を官報で公告 とあります。
また
社会保険労務士法施行規則 第8条
情報処理の促進に関する法律施行規則
第8条2項 など
では
受験番号を官報に公告( 公示 ) とあります。


弁護士登録の有無 については
官報ではなく
日本弁護士連合会の弁護士検索
『 弁護士情報提供サービス ひまわりサーチ 』
にて確認してください。

▲ 弁護士情報提供サービス
- ひまわりサーチ( 日本弁護士連合会 )

https://www.bengoshikai.jp/

【 注: □ = スペース 】
★ Googleからの入力は
Google > 弁護士検索 □ ひまわり


裁判官の検索 については
次のサイトから
裁判官名,所属,異動履歴
その他に
退官した裁判官 についても
検索ができますので
ご案内します。

▲ 裁判官検索 - e-hoki
( 新日本法規出版株式会社 )

http://www.e-hoki.com/judge/index.html

★ Googleからの入力は
Google > 裁判官検索

新日本法規が運営する
法律や税務・会計に関わる
ニュースやコラム
専門職会や官公庁の公開情報等の
コンテンツからなる
法律ポータルサイトです。
( 一部有料 )
「 お役立ち情報 」 として
「 裁判官検索 」 のほかに
「 法曹界人事 」
「 弁護士タウン( 弁護士検索 ) 」
「 税理士タウン( 税理士検索 ) 」
などのリンクあります。

「 法曹界人事 」では
共同通信社 提供 による
過去 約6か月間の
法務省 および 最高裁判所
人事異動 の情報が掲載されています。

「 弁護士タウン ( 弁護士検索 ) 」
および
「 税理士タウン ( 税理士検索 )) 」
については
弁護士や税理士の
細かいプロフィールや
所属事務所サイトへの
リンクが貼られています。

掲載は
このタウンに登録している
弁護士や税理士の情報のみです。

e-hoki
トップページはこちらです。

http://www.e-hoki.com/index.html

そのほか
司法書士,弁理士,税理士 等の
登録についての検索

Link【立法関係,官報,弁護士等,試験,大学院,求人 等】
- 弁護士・裁判官 等 検索

リンクを張りましたので
そちらもご利用ください。


冊子体 で探す場合は
弁護士であれば
法律新聞社で出版している
『 全国弁護士大観 』
裁判官であれば
公人社で出版している
『 全裁判官経歴総覧 』
定番でしょう。

ただし
『 全国弁護士大観 』
現在も出版( 2017.3.25 時点 )
( 最新版は 第18版 2016.10 発行 )
されていますが
『 全裁判官経歴総覧 』
2010年の第5版
『 全裁判官経歴総覧 期別異動一覧編 』
最後に出版が止まっています。

なお,
『 全裁判官経歴総覧 』
1998年の第3版 では
第1分冊
「 期別異動一覧編 」
第2分冊
「 関与判例・著作編 」
2分冊になっていましたが
第4版と第5版 では
「 期別異動一覧編 」のみ
出版されています。


最後に
裁判官の人物評が発刊当時
話題を呼んだ
『 裁判官 Who's Who 東京地裁・高裁編 』
紹介しましょう。

内容は
多数の弁護士や
訴訟担当者が
東京高裁・地裁の裁判官115人に
対する人物評をしたものです。

各裁判官の経歴
主な担当事件と法廷でのエピソードが
辛口に評されていて
裁判官の個性が
この本で浮き彫りになっています。

プロ野球でも
審判によっては
「 低めをとらない 」など
審判を知ることで
勝つ戦術を練ったりもするでしょう。

裁判も同様に
人が裁いているので
裁判官を知ることは
戦いに勝つ要素だと思います。
その意味では
参考になるでしょう―。

このシリーズは
『 東京地裁・高裁編 』
続編の
『 首都圏編 』
2冊が出版されたのみで
以後続刊がないのが残念です。

なお
この本の編著者である
池添徳明 氏が
弁護士や市民活動家などに
インタビューを行い
有名事件の裁判長の
人となりに迫った,
『 裁判官の品格 』

その他に
元・裁判官の著書として

渋川満 著
『 裁判官の理想像 』

木谷明 著
聞き手
山田隆司・喜多山宗 編
『「無罪」を見抜く- 裁判官・木谷明の生き方 』

合わせて紹介しておきましょう。


◇ 裁判官Who’s Who (東京地裁・高裁編)
- 池添徳明+『裁判官Who’s Who』刊行委員会 (編集)
- 現代人文社 2002


◇ 裁判官Who’s Who (首都圏編)
- 池添徳明+『裁判官Who’s Who』刊行委員会 (編集)
- 現代人文社 2004


◇ 裁判官の品格
- 池添徳明 著
- 現代人文社 2013


◇ 裁判官の理想像
- 渋川満 著
- 日本評論社 2016


◇ 「無罪」を見抜く- 裁判官・木谷明の生き方
- 木谷明 著,聞き手 山田隆司・喜多山宗 編
- 岩波書店 2013



以上

読んでいただき
ありがとうごうざいました。



2017年4月1日土曜日

コンメンタールの検索

法情報検索 各論 4 文献検索 8

法令条文の解釈を知りたい場合に
使用するツールとして
コンメンタール
( Kommentar:ドイツ語 )
と呼ばれる 注釈書 があり
実務においても
使用する機会の多い資料です。

これは
体系的な解説書である
教科書に対し
法令を条文順に1条ずつ
解説したもので
その条文の意義,要件,効果,

関連条文,判例,学説 などが
掲載されています。

基本的には1条ずつ
全ての条文について
解説が付されていますが
コンパクトなものなど
出版の趣旨に従い
解説に濃淡が付けられ
重要度の低い条文には
解説が提供されていない条文もある
コンメンタールもあります。

コンメンタールを
OPAC( 蔵書検索機 )で
検索する場合。
書名の欄に
コンメンタール と
入力し検索 しても
かなりの検索漏れが出ます。
また
件名の欄でも
憲法や民法,会社法 などといった
カテゴリーになっているので
コンメンタール といった
件名はありません。

でもやはり
OPACでの検索の場合は
書名からの入力
ベターなのですが
コンメンタール( 注釈書 )には
書名の一部に注釈書であることを指す
語が基本的には付されています。

書名の欄に
まずはストレートに
コンメンタール という語
それ以外には
注釈 または 註釈
注解 または 註解
条解
条文解説
逐条
逐条解説
といった語を入力していけば
検索漏れは減ります。

そのほかに最近では
第一法規 の 『 論点体系シリーズ 』
充実していて
使い勝手もよいコンメンタールです。
なので
論点体系 という語も
頭に入れておいてください。

それ以外では
『 全訂 日本国憲法 』
宮沢俊義 著,芦部信喜 補訂
日本評論社 1978

といった
書名に注釈などの冠が付かない
コンメンタール
あります。
この本は息が長く
現在(2017.3.11)においても
出版されているコンメンタールです。

このように
コンメンタールの検索について
書名の欄に一定のキーワードを
入力する方法があります。

ロースクールによっては
各社のデータベースを
契約していると思います。

TKC
『 インターネットコンメンタール 』
契約している学校は
そちらを利用するのもよいでしょう。
この
『 インターネットコンメンタール 』は
「 解説に軽重をつける 」方針
とのことなので
解説を提供していない条文もある
ということに注意してください。
また
『 インターネットコンメンタール 』
日本評論社にて
会社法以外は書籍化 されています。
( 2017.4.1現在 )
『 新・コンメンタール憲法 』
『 新・コンメンタール民法(財産法) 』
『 学習コンメンタール民法2 親族・相続 』
『 新・コンメンタール刑法 』
『 新・コンメンタール民事訴訟法 第2版 』
『 新・コンメンタール刑事訴訟法 第2版 』

日本評論社 ではそのほかに
『 我妻・有泉コンメンタール民法
- 総則・物権・債権 』(第4版)2016
我妻榮,有泉亨,清水誠,田山輝明 著
も使い勝手の良いコンパクトな注釈書です。
また
『 新基本法(基本法)コンメンタール 』
一般的です。
このコンメンタールは
「 別冊法学セミナー 」として刊行
されているため
図書館では通常は雑誌扱い
されていることが多いので
一般図書の書架にない場合は
雑誌書架 を見るとよいでしょう。

◇ 日本評論社 – コンメンタール

他の出版社での
コンパクトでポピュラーな注釈書には
弘文堂 の 『 条解シリーズ 』 があります。


データベースの話に戻して
そのほかのデータベースでは
D1 - Law.com を契約していれば
「 法律判例文献情報 」 から
コンメンタールの検索機能 があります。

画面左側の
「 パネル入力 」から

「 形式区分 」
「 コンメンタール 」のみにチェック
   
「 外国法 」にチェックの有無
   
「 種別 」図書,論文すべて 選択
   
「 分類欄 」
候補ボタンに入力またはクリック
または
「 フリーワード 」で検索するか
「 事項 」で法律名を入力


というように
検索してみてください。
( 2017.4.1 現在 )
画面がないので
わかりにくいと思いますが
スイマセン・・・。


コンメンタールについて
よくある質問
有斐閣コンメンタール で
『 新版 注釈民法 』
全巻(全28巻)そろっていないのか?
との問い合わせがあります。
『 新版 注釈民法 』は
全巻が出版されておらず
諸事情により
刊行中止となった巻もあり
完結しない とのことです。
◇ 有斐閣 新版 注釈民法 のご案内
( 2017.2.28 現在 )

一方
旧版の『 注釈民法 』
26巻・全27冊+別巻(総索引)
全て刊行済みで完結しています。

ただ
有斐閣では
『 新版 注釈民法 』 に代わり
新しく
『 新注釈民法 』全20巻 の刊行が
予定され(2016.10)
随時刊行されるとのことです。
◇ 『 新注釈民法 』の刊行にあたって - 有斐閣
(2016.10)

そのほかには
会社法
同じくボリュームのある注釈書で
商事法務 の
『 会社法コンメンタール 』
についても
まだ全巻そろっていません。
( 2017.4.1 現在 )

刑法については
青林書院 の
『 大コンメンタール刑法 』
あります。
こちらの 全13巻 ついては
第3版 は未だそろっていませんが
第2版 は 全13巻そろっています。
( 2017.3.11 現在 )
◇ 青林書院 -コンメンタール


本ができるまでには
ざっくり言うと
執筆 → 原稿編集 →
造本設計,原稿指定 → 組版 → 校正
→ 印刷工程 → 製本 → 流通

といった過程を経ます。

最近の社会の動きは早く
詳しい大コンメンタールを
出版しようとすれば
執筆中やこれらの過程の途中で
法改正や判例変更が
あったりするので
出版社泣かせなところがあり
また編著者が諸事情により
交代するなどして
中々進まなく
完結までに長い時間がかかるとか
刊行中止になってしまうのが
現状でしょう。


以上

読んでいただき
ありがとうございました。



2017年3月3日金曜日

過去( 平成20年~19年 )の検事二級任命の官報公告


今回は
平成20年~19年
検事二級任命の
官報公告
を記載します。

※ ただし
新司法試験合格者からの任官者のみ
の掲載で
旧司法試験合格者は含みません。

過去のブログ掲載分を含めて
トータルで10年分のデータ
記載しましたので
参考にしてください。

いつもの通り
このデータは
官報を参考にしています。

また
旧字,異体字,簡体字 等で
登録されている姓名の方で
PCおよびスマートフォンに
反映されない字体

新字体に修正してありますので


“ 確認は 官報 にて行ってください。”


平成20年
検事二級 ( 東京地方検察庁検事 ) 任命 名簿 官報公告


平成20年12月24日(水)
官報 本紙 4980号( 8頁 )

人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月18日 )



壹岐友理子,生島一哉,石井広太朗
伊東真依,糸山亮,今村弘
入江暁,尾江雅史,大牧元
岡本直也,小川隆史,奥田善紀
小澤匠,織川聡美,恩地孝幸
加藤真由美,川端裕子,菅野恵
菊地結香,吉川澄子,金秀美
功刀祐樹,久冨木大輔,栗田理史
河本岳大,古口文子,小西智志
小松栄二郎,財津俊佑,佐田佳子
佐藤奈津,佐藤友弥,重名紫穂
重名卓史,庄地美菜子,新福宏
曽和真理子,髙橋朋,髙山慶
田中拓也,田中良弘,田邊哲寛
土屋大気,寺田太郎,外村晃子
永井祥行,仲島れな,中村明日香
西村麻里,西脇伸幸,根来佑江
橋爪洋子,濵田武文,原島一郎
原田淳史,日笠真木哉,冨士﨑真治
藤田奈津子,藤原拓人,細野正宏
前田恵理子,前田華奈,亦野誠二
松井玲,松田智史,松久浩子
真野修史,宮下朋子,三輪能尚
安田真也,矢野諭,山名論平
渡邊由香里

検事二級
( 東京地方検察庁検事 )に
任命する( 各通 )
( 12月18日 )

※ 73名


平成19年
検事二級 ( 東京地方検察庁検事 ) 任命 名簿 官報公告


平成19年12月28日(金)
官報 本紙 4739号( 8頁 )

人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月20日 )



芦沢和貴,石川雄一郎,石飛勝幸
植村公彦,江渕悠紀,大川晋嗣
大竹純,大塚智子,岡上美紀
沖永京子,小串依里,奥村寿行
海津秀貴,菊地千春,岸見直幸
木村美穂,澁谷正樹,鈴木雅美
曽我部誉広,田中友理,丹﨑弘
茅根航一,筒井督雄,鶴田佳子
德竹敬一,飛田由華,中尾真和
西村慎太郎,布目武,野﨑麻由美
萩野卓巳,橋本映司,波多野博昭
濱田記久子,福林千博,古川貴大
松山奈津子,真鍋敦史,村本亘
安田知寿子,山田拓,山野下純

検事二級
( 東京地方検察庁検事 )に
任命する( 各通 )
( 12月20日 )

※ 42名


10年分の任官者数 をまとめますと
※ 新司法試験合格者からの任官者のみの人数。

平成28年度・・・70名
平成27年度・・・76名
平成26年度・・・74名

平成25年度・・・82名
平成24年度・・・72名
平成23年度・・・70名

平成22年度・・・66名
平成21年度・・・67名

平成20年度・・・73名
平成19年度・・・42名


平成20年度 は 73名 の任官
その他に
旧司法試験合格者 からの
任官者が 20名

平成19年度 は 42名 の任官 ですが
その他に
旧司法試験合格者 からの
任官者が 71名 です。


※ 参考として
平成18年度以前の任官者数
旧司法試験合格者のみ です。

◇ 平成18年度87名
【 情報 】
平成18年10月10日(火)
官報 本紙 4439号( 12頁 )

人事異動 法務省
検事二級( 東京地方検察庁検事 )
10月3日 任命


◇ 平成17年度96名
【 情報 】
平成17年10月11日(火)
官報 本紙 4194号( 12頁 )

人事異動 法務省
検事二級( 東京地方検察庁検事 )
10月4日 任命


任官 されています。


検事任官までの流れ
検事の採用実績
( 平成17年度~23年度 )
については
法務省Webサイト に掲載されています。

◇ 検事に採用されるまで - 法務省


検察庁職員
検察官,検察事務官,検察技官
および
その他の職員 で構成されています。

その人数ですが
平成27年度定員 においては
検察官 が 2,744人
うち
検事 1,845人,副検事 899人
検察事務官 等 が 9,052人 です。

◇ 検察庁の職員 - 検察庁
検察庁
> 検察庁について
> 検察庁の組織
> 機構検察庁の職員


一級の検事・二級の検事 に関しては
検察庁法 第15~19条
規定されています。

◇ 検察庁法( 昭和22年4月16日 法律第61号 )
- 法令データ提供システム



以上

読んでいただき
ありがとうございました。




2017年3月2日木曜日

過去( 平成22年~21年 )の検事二級任命の官報公告


検事二級 ( 東京地方検察庁検事 ) 任命
についての官報公告を
もう少し遡ってみたいと
思います。
( 10年分を掲載予定 )

今回は
平成22年~21年
検事二級任命の
官報公告
を記載します。

※ ただし
新司法試験合格者からの任官者のみ
の掲載で
旧司法試験合格者は含みません。

このデータは
官報を参考にしています。

また
旧字,異体字,簡体字 等で
登録されている姓名の方で
PCおよびスマートフォンに
反映されない字体

新字体に修正してありますので


“ 確認は 官報 にて行ってください。”


平成22年
検事二級 ( 東京地方検察庁検事 ) 任命 名簿 官報公告


平成22年12月27日(月)
官報 本紙 5465号( 8頁 )

人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月16日 )



阿部薫,新居謙治,荒巻いずみ
池田裕美,石井佐和,伊藤みずき
井上孝之,岩﨑弘悟,上田勇樹
上原佑人,大西良平,小川知城
奧江隆太,影山あき子,笠原達矢
梶川和香,梶本幸佑,門倉良則
鎌田航,川口久美子,川手研典
川村孔二,菊池昌晴,小一原潤
小出啓,荒神直行,河野龍三
古賀大己,粉川知也,齋藤望
塩﨑由紀子,地引彩乃,島津智美
島本元気,庄野領一,鈴木雄大
砂山博之,髙橋涼平,瀧山さやか
谷口純一,谷口宗誠,天日崇博
戸根川隆,冨谷治亮,永井裕之
中垣文也,中村奈美子,西口啓子
西村未来,野口弘雄,原田絵未
氷室まゆ,福井拓男,福田恭平
藤原伸二,坊野義孝,正木はるな
松井あゆみ,松澤はるか,三浦真也
宮﨑健,宮本孝城,村上大
山田悠貴,山野内亜衣,吉田直樹

検事二級
( 東京地方検察庁検事 )に
任命する( 各通 )
( 12月16日 )

※ 66名



平成21年
検事二級 ( 東京地方検察庁検事 ) 任命 名簿 官報公告


平成21年12月28日(月)
官報 本紙 5223号( 11頁 )

人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月17日 )



浅葉義浩,伊藤孝,伊藤まどか
岩井具之,及川裕美,大久保享
大橋玲子,岡部頌平,小川淳一
歸山俊祐,加部剛志,川﨑幸之介
菅野未生,菊地英理子,菊池真希子
清瀬伸悟,桐野修一,桐生到
輿水将利,小武万佑子,小林靖正
小林隆一,小宮大典,阪本英晃
澤田久美子,澤村洋平,下野真弓
菅野直,菅原由理,杉山太郎
鷲見徹郎,曽我純子,髙井賢太郎
高梨未央,髙山由子,竹本康彦
田中優希,千葉真弓,寺嶋勇祐
富岡宏,長尾武明,中西悠
中野雅文,長橋佑里香,萩野哲史
萩谷葉子,長谷慎,長谷川将希
濱田修,久岡修平,平山峻
廣田麗理,福嶋慶彦,古谷祐介
升田雅己,松村忠憲,間宮明寿香
宮﨑覚,宮下浩,向井翔
本村行広,森藤茉由,八十島絵理
梁井聡子,横山亞希子,好川緑
若杉朗仁

検事二級
( 東京地方検察庁検事 )に
任命する( 各通 )
( 12月17日 )

※ 67名


平成22年度 は 66名 の任官者
その他に
旧司法試験合格者 からの
任官者が 4名

平成21年度 は 67名 の任官者
その他に
旧司法試験合格者 からの
任官者が 11名 です。


以上

読んでいただき
ありがとうございました。




2017年2月27日月曜日

羽鳥書店,前田説などついての雑記

本の新版・増刷の話

前回
『 前田雅英先生と刑事訴訟法 』
著者,編者などの表示について
色々と推察してみました。

この刑事訴訟法を刊行している
東京大学出版会で38年間在職した後
2009年4月に新たに立ち上げた
羽鳥和芳 氏が代表を務める
羽鳥書店 があります。

特に法律関係者には
木村草太 先生 の著書
『 憲法の急所 - 権利論を組み立てる 』
出版している書店といえばご存知でしょう。

書店の法律書のコーナーで
本書を初めて手に取って見たとき
「 聞いたことのない出版社だ 」と
思いました。

自分で 本を選ぶ際 には
まず
タイトル帯情報
目次など内容から判断
することはもちろんですが
ほかには
装丁,文字の大きさ,行間,
余白の広さ,紙の厚みなど
形式的な構成や外観,手触り感
といったものも気にします。
それと
出版社著者気にする 場合も
あります。

余談ですが
ある元司法試験委員の先生が
本を出したとき
あまり聞かない出版社から
出版されていて。
中身を読んでみると,誤植が多く
専門外の自分がいうのも
おこがましいのですが・・・。
内容も,ただ判例紹介で盛ってるだけ
といった印象がありました。

それがまた当時は
司法試験委員ということもあってか
解析講座なるものを各予備校で
開いていたので
受験生に
解析するような内容なの???
と聞いたところ
僕も同じ疑問をもっています
と言われました・・・。

閑話休題。
出版社の 羽鳥書店 というのは
どんな出版社だろうと
最初は気になりましたが
色々と見ていると
立ち上げ初期のころの著者が
内田貴,大村敦志,長谷部恭男,
藤田広美 各先生方 といった
錚々たる顔ぶれが上梓 されています。

で,何冊かを読んだのですが
「 少し誤植が目立つ 」 印象 があり。
これは,大きな出版社のように
厳しい校閲を経ていないようなので
校閲まで回っていない
おそらく,かなり少人数で回していて
社長や編集者の人脈,しかも東大系が
すごい といった感じを受けました。

後に
日経ビジネス ONLINE
記事を見たときに
だいたい予想した通りだった
ということを覚えています。

宮嶋康彦「 “つぶやき”効果で1万冊!
10坪の出版社,羽鳥書店の挑戦 」
- 奥深き日本 『 日経ビジネス ONLINE 』
- 2010年3月5日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100303/213123/
( アクセス日・2017年2月26日 )

それから
僕は特撮大好き! ですから
成田亨 氏の 本の出版・復刊
非常にありがたく
羽鳥書店 さま
大いに期待をしております。


☆ 成田亨作品集 成田 亨 著 / 羽鳥書店 2014.7

☆ 成田亨の特撮美術 成田 亨 著 / 羽鳥書店 2015.1


ところで
刊行後に見つかった
本の誤植 に対しての
訂正 ですが。

Webサイト のある出版社は
そこに 誤植訂正のページ
設けられていることが多いです。

木村先生 の
『 憲法の急所 については

木村先生の ブログ
『 木村草太の力戦憲法 』
http://blog.goo.ne.jp/kimkimlr
誤植訂正があります。
( アクセス日・2017年2月26日 )

まあ
この本は売れているので
その後も増刷され
第2版 がいよいよ
2017年3月下旬に刊行予定
されています。

近刊・新刊案内 - 羽鳥書店
http://www.hatorishoten-articles.com/newbook

ですから,今までの誤植も
その都度訂正されているでしょう。

本の「 版 」 と 「 刷 」
違いについ説明すると
これらの表示は
奥付 と呼ばれる,本の最終ページの
箇所に記載があります。

例えば
2013年12月20日 初版第1刷発行
2014年10月10日 初版第3刷発行
といった記載ならば

本の出版に際し
予定した発行部数より多く
新たに増刷して
その刷が3回目という意味です。

超ロングセラーの本は
この表示が100刷以上
刷られています。

増刷 に関しては
誤植の訂正などは行われます
内容の変更はありません

版表示の変更 については
本の内容の一部や複数個所に
重要な変更が加えられ
改訂版であることの記載
または書名を変更した場合。

例を挙げると
2013年12月20日 初版第1刷発行
2015年11月15日 第2版第1刷発行

といった記載ならば
2015年に
内容に重要な変更 を加えたという意味です。

この 版が変更された表記 があれば
国際標準図書番号( ISBN )と呼ばれる
図書の識別番号も変わります。

本文中の誤植や誤字・脱字の訂正などに
とどまる増刷・重版をする場合は
ISBNコードは変わりません。

「 書名記号 」 に関するルール
- ISBNと日本図書コードのルール
- 日本図書コード管理センター

http://www.isbn-center.jp/guide/02.html


法律書 の場合
会社法などの企業関連や
金融,年金,保険関連の
法令については
政策上,法改正が多いので
それに伴い
関連した本も内容を変えますので
版表示が頻繁に変更されます。

ところが
憲法や刑法など
法文が頻繁に変わることのない
法律書が
なぜ 頻繁に新版を出すのか というと
率直に言うと売りたいため ですよ。

解釈内容が変わったのでなく
ただ 新しい判例が盛られているだけ
といったものもあります。

判例 については
別に『 判例百選 』等 
勉強すると思うので
わざわざ新版を購入する必要はない。

といった本と

解釈自体が変わる ものも
あります。

特に旧司法試験の頃の刑法などは
学説の対立が激しかったので
前田説大谷説 等々がありました。
特にこの両先生が
ちょこちょこと 改説 するんです。

まあこれは
判例・実務を重視しつつ
解釈を展開しているから


特に 前田先生の場合
処罰に値する行為を
構成要件段階で処理する考え方で
処罰に値する行為は
現代社会における犯罪現象を踏まえて
妥当性を図っていくという理論
です。
そして
客観的に現代社会の犯罪現象を
知るための統計資料
として
『 犯罪白書 』 があります。

だから
前田先生の刑法の体系書には
犯罪データが載っています。
犯罪統計は毎年変わるため
新たなデータに変更するので
新版を出す理由づけになります。


なので
解釈がぶれているのではなく
社会の犯罪現象に合わせて
処罰も変化する という
現実的な考え方です。

でも
実務家養成のロースクールでは
事例中心の勉強なので
旧試の受験生のような
学説オタクはいないような気がします。

僕も刑法学説や
民訴の争点効や新訴訟物理論
などの新堂説,
手形・小切手法の創造説など
ひと通り勉強しましたが
社会に出て役に立ったという
記憶がありません・・・。

仕事にもよりますが
書式集,法令集,コンメンタール,
判例・先例集といったところで
十分な気がします。

最後は
出版の話から
前田説の話に
なってしまいましたが

読んでいただき
ありがとうございました。

以上




2017年2月25日土曜日

前田雅英先生と刑事訴訟法


出版社の共著についての推察

2004年6月に 東京大学出版会 より
池田修・前田雅英 両先生 共著
『 刑事訴訟法講義 』 の初版が
出版されました。

その後にも
『 ケースブック刑事訴訟法 』
( 弘文堂ケースブックシリーズ )
笠井治,前田雅英 編
弘文堂 2007

『 刑事訴訟法判例ノート 』
星周一郎,前田雅英 著
弘文堂 2012

『 刑事訴訟実務の基礎 』
前田雅英 編;青木英憲 [ ほか ] 著
弘文堂 2010

が,出版されています。

前田先生 というと
司法試験をはじめとする
刑法の基本書となる
体系書や演習書などを著し
前田説と呼ばれる
刑法の論理体系を築かれた先生です。

ですので
前田先生が「 刑事訴訟法 」
書いたの?
といった印象を
最初に持ちましたが

団藤重光 先生
『 刑法綱要 』 創文社
総論 1957,各論 1964 や
『 刑事訴訟法綱要 』
弘文堂書房 1943 などを著し。

平野龍一 先生
『 刑法総論 』 有斐閣 1983 や
『 刑事訴訟法 』 弘文堂, 1954
などを
それぞれ著していることを見れば
特に何も違和感はありません。


著者等の記載 について説明すると
単独執筆 の場合は
○○著 という記載で
誰の執筆かは明確です。

他方
前田雅英 編
という記載の場合

というのは
パートごとに
他の数人の学者や
実務家の先生が
内容を分担して執筆し
それを前田先生が
全体の構成を編集し
責任者として
内容をとりまとめた
ということです。

他の記載方法については
編著 となっていれば
内容のとりまとめに加えて
自らも執筆 している
ということです。

その他には
監修 という記載方法も
あります。
監修は
用語や学説,理論などの
内容に誤りがないか
確認すること
著者ではありません。

というのが
一般的な意味です。
しかし実際は
となっていても
内容は
自らも執筆している
編著 であることは
ありますし
監修 についても
箔をつけるだけの形式的
ものもあります。

さて
前田先生の刑事訴訟法
著書についてですが
東京大学出版会
『 刑事訴訟法講義 』
弘文堂
『 刑事訴訟法判例ノート 』
共著 という形になっています。

どこまで執筆分担しているのかは
わかりません。

これは想像の域を出ないのですが
おそらく

東京大学出版会の
『 刑事訴訟法講義 』 については
初版の出版年月が
2004年6月となっています。

法科大学院が
2004年4月に創設されたことを
考えると
東京大学出版会としては
ロースクール生向け
学術的な深い内容でなく
実務的な手続法の
基本書的なものを出版したい。

そうなると
実務家の先生 に執筆をお願いしたいが
司法試験受験生をターゲットに
して売る場合には
内容が十分であっても
ネームバリューとして地味 であり
売れる見込みが未知数 である。

司法試験受験生の購買行動
内容評価以前にネームバリューで
先導される傾向 にあるので
前田説を浸透させ
司法試験委員等も歴任し
刑法の本も相当売れた実績のある
前田先生の名前を使いたい。

というように
通常の出版社なら考えて
話しを持ちかけるのが普通でしょう。

後の2007年には
同じ手続法の民事訴訟について
『 講義 民事訴訟 』 の初版が
出版されました。
こちらは
元判事の藤田広美 先生単著 ですが
司法協会『 民事訴訟法講義案 』
著者といわれる 方なので
ロースクール生向け教科書として
もちろん内容は十分であり
学生は飛びつくと判断して
単著で十分といったところだと
思います。

弘文堂『 刑事訴訟法判例ノート 』
においても
司法試験受験生の購買行動を
考えて売れるようにするためには
前田先生のネームバリュー
必要です。

弘文堂の場合も推察ですが

出版社側とすれば
例えば
出版社から本を出し
売れた実績があり
その後もよく執筆を頼まれる
先生がいるとします。

その先生が別の方を
紹介しましたが
確実に売れるといった
実績がない場合
その先生に 監修 として
名前を入れることを条件に
執筆 させることがあります。
担保としての名義貸し
みたいなものです。

『 刑事訴訟法判例ノート 』
の場合でも。
弟子に実績をつけてあげたいので
弟子の 星 先生 を勧めた
ネームバリューの問題で
前田先生の名前も出してもらう
ということだろうと思います。

ただ
『 刑事訴訟法講義 』 の場合も
『 刑事訴訟法判例ノート 』
同じですが。
監修 前田雅英 とすると
共著の先生に対し失礼 になります。

駆け出しの学者や実務家
または専門外の者が執筆する場合に
監修に入ってもらうのが通常で

池田修 先生星周一郎 先生 の場合は
実務家や学者として
十分な実績がある ので
共著 という形 になっているのだと
思います。

もちろん
前田先生も執筆していれば
当然共著ですが・・・。

また
著者名の記載順 については
おそらく
池田先生 は 前田先生 の
大学の先輩 にあたるので
『 刑事訴訟法講義 』 については
池田修,前田雅英 の順。
『 刑事訴訟法判例ノート 』 では
星先生 は 前田先生 の弟子 ですので
前田雅英,星周一郎 の順
ということでしょう。

また
木村光江 先生前田先生
お弟子様 です。

著書の
『 刑事法入門 』 1995年
『 刑法 』 1997年
『 演習刑法 』 2003年
は,東京大学出版会 からですが

東大出身でない 木村光江 先生
東京大学出版会 から出版している
ということは
おそらく 前田先生 のご推薦
あったのだろうと推察します。

このように
前田先生の刑事訴訟法は
なぜ共著なのか との考えを契機に
色々と推察 していくと

前田説の普及とネームバリュー,
弟子の育成,行政関係の委員,
首都大でのロースクール生の育成など

数々の功績を残した事実と
人望の厚さが見えてきます。

と,まあ出版の経緯は
ご本人様に確認したわけではないので
想像の域をでませんが・・・。

出版社的にはこんな感じなのかな
といったところです。


以上

読んでいただき
ありがとうございました。



2017年2月20日月曜日

近代立憲主義と平和主義


近代立憲主義と
日本国憲法の3原則の中の一つ
平和主義ついて考えてみます。

法律関係者には
「 釈迦に説法 」 なので
主に高校生をターゲットにします。

先日
『 伝わる書き方 』( PHP研究所 )
という本を
書棚から出して
再読したときがきっかけです。

著者の
三谷宏治 氏
K.I.T.虎ノ門大学院主任教授
アクセンチュア 等で
経営コンサルタントを
されていた方です。

三谷 氏 の著書は
わかりやすく書かれ
私も大いに参考にしています。

この本の内容は
文章の書き方について
① 理解しやすいように文章を短く切り
② その文章の内容を類型別に目次化させ
③ 読者が興味を引くように文章に波をもたせる

といった3つ方法に分類して
レクチャーした手引書
です。

その中で
気になった箇所があります。
70頁の
日本国憲法 前文
“ 余計な装飾を省く ” 説明のくだりで

個人的見解と断ったうえで

日本国民は,
恒久の平和を念願し,
人間相互の関係を支配する崇高な理想を
深く自覚するのであつて,
平和を愛する

諸国民の公正と信義に信頼して,
われらの安全と生存を保持しようと決意した。

から

日本国民は,
諸国民の公正と信義に信頼して,
自らの安全と生存を保持しようと決意した。

と文章を簡潔にしています。

省いた箇所の

恒久の平和を念願し,
人間相互の関係を支配する崇高な理想を
深く自覚するのであつて,
平和を愛する


の部分を
“ 余計な装飾 ” として省いています。

この本は憲法論について
書かれたものでなく
確かに
この箇所の表現は
「 くどい言い回し 」
と感じます。


ここで
近代立憲主義について考えると

近代立憲主義 とは
憲法に基づいて政治を行う考え方です。

その 3原則
① 国民主権
② 人権保障
③ 権力分立

です。

権力分立 とは
立法,司法,行政の
三権分立も含みますが
より広く捉えます。
日本の場合は
地方分権,行政委員会,二院制
三審制 等も含みます。
この仕組みは
権力が一つに集中しないように
権力機構を分散させ
抑制と均衡を図るものです。

一方
日本国憲法の3原則
① 国民主権
② 基本的人権の尊重
③ 平和主義

です。

国民主権 について

日本国憲法の国民主権 と
近代立憲主義の国民主権 とは
異なります。

日本国憲法の国民主権 には

国の政治の在り方を
最終的に決定する権力を
国民自身が行使する
権力的契機 ― ①

国家の権力行使を
正当づける究極的な権威が
国民にあるとする
正当性の契機 ― ②

の二つを合わせた
意味を持っています。

しかし
近代立憲主義の国民主権 には
②の 正当性の契機 の意味しか
ありません。

次に
国民主権 および 権力分立 と
人権保障 との関係については

国民主権 および 権力分立
人権保障を実現するための手段です。

平和主義人権保障 との関係は
平和であることは
人権保障の前提となる関係です。


では
平和が人権保障の前提 となるものならば
なぜ
平和主義が
日本国憲法の3原則には
挙げられているのに
近代立憲主義の原則には
ないのでしょう。


近代立憲主義 においても
平和主義が当然 のことであり
規定されなかっただけで
無視されたのではありません。

これに対し
日本の場合
二度の世界大戦を経験し
侵略によって
他国に被害
を与えました。

それと同時に
空襲や原爆投下などもあり
戦争で多くの国民に
被害
が出ました

これらを教訓として
平和主義を明文化 して
その 意義を強調 した
ものと考えられます。


だから
余計なほど,繰り返して
平和を強調
していると
考えます。


このように
全く関係ないところから
考え直したり
発想が湧いたりすることって
ありますよね。


~ 参考文献 ~

伝わる書き方 三谷宏治 著 / PHP研究所 2013

日本国憲法 朗読CD 佐藤慶 / フォンテック 2006

比較憲法 第3版 樋口陽一 著 / 青林書院 1992

憲法 第3版 佐藤幸治 著 / 青林書院 1995



以上

読んでいただき
ありがとうございました




2017年2月19日日曜日

石破茂 永世防衛大臣? 総理?


先日,国会で
防衛大臣への
辞任要求がありました。

あ~ また始まったかと
いつも思うんですが―。

湾岸戦争を契機に
日本の国際貢献のありかたが
問われるようになりました。

日本経済を発展させ
食料や資源の供給を
安定させるには
商人のように
諸外国と上手にやっていく
必要があるでしょう。

だから
脅しともいえるような
要求があれば
日本も自衛隊を
出さざるを得ないでしょう。

その判断は
間違っていないと思います。

ただ日本は
憲法9条との整合性
とらなければならないので
自衛隊の活動が制限されます。

自衛隊とその活動範囲の現状と
法との整合性についての
判断については
法解釈といえば体裁はいいですが
頓知的な解釈ですよ。


そうすると
国会で答弁の矛盾や言葉尻をとらえて
弱みを見せた
防衛大臣あたりを攻撃して
辞任要求する。

と,まあ
毎度の繰り返しになっています。


自衛隊の兵器も
完全に自衛のためというには
スターウォーズ に登場する
“ 防御シールド ”
マイティジャック
“ アンチミサイル ” のように
敵の攻撃を無力化する兵器。
または
地球防衛軍 に登場する
“ マーカライトファープ ”
のような
返し技的兵器など
SF的な防衛兵器でも
開発しない限りは

憲法9条と自然権との線引き
難しくて
頓智的解釈にならざるを得ない。


そういった
不安定な法的地位に
自衛隊がある以上

防衛大臣もそういった
ポジションにあるわけで

マジョリティにならない
“ 確かな野党 ”たち は別として

政権が変わっても
同じことを繰り返すだけというのは
自分たちで政権とったときに
学習したと思いますがねぇ。

“ 確かな野党 ” って
完全野党宣言した上で反対して
与党にアクセルを踏ませすぎないよう
ある程度ブレーキかけた方が
よっぽど筋が通ってますよ。



こういった
防衛大臣攻撃の茶番劇を見てると
僕がいつも思うのは

結局
防衛大臣が変わっても同じなんで

石破茂 永世防衛大臣

ってことで
それが無難であり
日本の国防ためには
一番安定した
選択だと思いますね。


でも
石破茂 先生
永世防衛大臣 どころか
次期総理候補 なんて
言われてるじゃないですか。

総理になった以上は
短命で終わっても
国が安定しないので
長期政権が望ましいですよね。

長期政権になるには
やはり
総理自身に華がないといけません。

小泉元首相も安倍首相 も
華がある。

華を出すには
表情が豊かでないといけません。

で,石破 先生 はというと

議論をしているときには
厳しい顔をしている。

それ以外のときは
柔和な表情なんですけど。

表情が極端なんですよね…。

例えば
会談や交渉などで
一定の成果はあったけど
不調に終わった部分もある
といった場面って
ありますよね。

笑えないけど
厳しい顔もできないって
シーンです。

そういった時の
複雑な表情って
見たことがないんですけど

総理の表情を汲み取って
マスコミは色々と報道しますからね。

政治家はある程度
役者でないといけませんので。

僕はその辺りが
気になるところです。

今後の
石破茂 先生 に注目しましょう。


以上

読んでいただき
ありがとうございました。




2017年2月17日金曜日

司法試験受験界の隠語


法律編集者懇話会 で検討された
法律文献等の出典の表示方法
基づいた略称は 公式に近い基準 です。
このことは
「 法律文献 法令名の略称 」 の回で
お話ししました。

翻って
公式的ではない
司法試験受験生隠語 があります。

司法試験に携わったり
法学系の学問を修めた方には
当然通じますが

これを図書館や書店で尋ねられると
専門外の司書や書店員は
戸惑ってしまうことがあります。

今回は
ときたま所蔵検索などで尋ねられる
司法試験受験生の隠語 について
一例を挙げてみましょう。

もちろん
目録からその単語で検索しても
出てきませんよ・・・。

まず
司法試験受験生に限らず
法律系全般に携わる方が
古くから使われている
隠語で
『 ダットサン民法 』 と呼ばれる
本があります。

これは
『 民法 』 のタイトルで
勁草書房 から出版されている
( 発刊当時は一粒社から出版 )
我妻榮,有泉亨,川井健 共著 の本で
全3巻 あります。

これは
小型でパワフルそして小回りが利くところから
当時の車に例えられた通称です。

この本の通称は
周知されているところです。

次に
周知されている隠語ですが
各業界で違う認識をされている本
一例を挙げます。

『 赤本 』『 青本 』
聞いたことがあると思います。

『 赤本 』 について
大学受験生や受験予備校
教育関係者などは
世界思想社教学社 から出版されている
大学・学部別の大学入試過去問題集
が思い付くと思います。

他方
弁護士等の法律実務に携わっている方は
日弁連交通事故相談センター 出版の
民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準
と捉えるでしょう。
( 通常は 「 赤い本 」 と呼ばれます )

『 青本 』 については
赤本と同様に
大学受験生などは
駿台文庫 出版の
大学入試問題の過去問題集
と捉えるでしょう。

法律実務に携わっている方は
日弁連交通事故相談センター 出版の
交通事故損害額算定基準
のことと捉えるでしょう。

司法試験受験生の間では
山口青本 とくれば
刑法 山口厚 著 / 有斐閣

和之青本 ならば
立憲主義と日本国憲法 高橋和之 著 / 有斐閣
でしょう。

でもこれが
弁理士受験生 で 青本 というと
工業所有権法 ( 産業財産権法 ) 逐条解説
特許庁 編 / 発明推進協会

を指します。

これらは
ロースクールの図書室では
尋ねられても見当が付きますが
総合図書館や公共図書館で
質問を受ける際には
確認が必要です。

変な利用者は
間違えると
そんなのも知らねえのかと
見下したり
激怒しますので・・・。


同じく
総合図書館や公共図書館の場合では
確認が必要なお尋ねとして
「 イトウマコト 」 先生 の本ありますか
との質問です。

法学系 では
周知のとおり
司法試験等の受験指導校である
伊藤塾の “ スーパー講師 ” 伊藤真 先生 なのか
東大名誉教授で民事訴訟法学者の 伊藤眞 先生
なのかを尋ねる場合で
“ 学者の ”とか
“ 東大教授の ” で通じますが

これが
総合図書館や公共図書館の場合で
問い合わせを受ける場合は
もう一人の重鎮 である “ イトウマコト 先生 ”

東大名誉教授でマルクス・宇野経済学者の
伊藤誠 先生
のことも
頭に入れておかなければなりません。

経済学部生やマル経・宇野経の研究者からは
こちらの問い合わせが多いです。

ですので
“ 学者の ”とか
“ 東大教授の ” というのは愚問で

“ 伊藤塾の ” とか
“ 民訴法学者の ” とか
“ マルクス経済学者の ”
といった確認が無難です。

民訴の 伊藤眞 先生 に習った方ならば
“ 蝶ネクタイの大先生 ” でわかりますが・・・。


伊藤塾 の 伊藤真 先生 が出たところで
『 シケタイ 』 についても触れておきます。

法学系図書館でなくても
公務員受験者のために
『 シケタイ 』 を所蔵している
大学図書館もあります。

シケタイ とは
弘文堂 から出版されている
試験対策講座シリーズ のことで
憲法など 全15巻 が出版されています。


さらに
業界で認識の異なる本 としては
『 ヤマケイ 』 の本です。
一般的には
美しい写真集が売りの
山岳系雑誌を中心とした出版社
「 山と溪谷社 」 の本ですが

司法試験業界ですと
京都大学教授の民法学者 山本敬三 先生
民法講義I 総則 山本敬三 著 / 有斐閣 
民法講義IV-1 契約 山本敬三 著 / 有斐閣
を指すことが多いです。


その他で主な隠語を挙げますと

『 サクハシ 』
行政法 櫻井敬子,橋本博之 共著 / 弘文堂

『 宇賀・緑 』
行政法 宇賀克也 著 / 有斐閣

『 潮見・黄色 』
ライブラリ法学基本講義シリーズ
基本講義債権各論Ⅰ 契約法・事務管理・不当利得

基本講義債権各論Ⅱ 不法行為法
潮見佳男 著 / 新世社


『 土田労働法・黄色 』
ライブラリ法学基本講義シリーズ
基本講義労働法 土田道夫 著 / 新世社


これは
労働法概説 土田道夫 著 / 弘文堂
と区別するためです。

『 憲法・四人組 』
憲法Ⅰ ,Ⅱ 
野中俊彦,中村睦男,高橋和之,高見勝利 著 / 有斐閣


『 リークエ 』
有斐閣 から出版されている
LEGAL QUEST ( リーガルクエスト ) シリーズ
【 注意 】
検索機 によっては
カタカナで
リーガルクエスト と入力してもヒットせず
LEGAL QUEST と入力 しなければ
ヒットしないものもあります。



と,まあ際限がありませんが
司書の方などで
こんな問い合わせを受けたときは
思い出してください。


以上

読んでいただき,
ありがとうございました。




2017年2月16日木曜日

法律文献 法令名の略称


法情報検索 各論 4 文献検索 6

判タ とは 判例タイムズ
曹時 とは 法曹時報
の略称です。 

これらの略称は
法律関係に携わっている方ならば
周知のところですが

図書館や書店で尋ねるとき
重判 はどこにありますか
などというと
法律に疎いスタッフの場合
検索機でそのまま
重判 と入力して検索をかけ
“ ありません ” との
回答を受けることがあります。

まあこれは
一種の業界用語でして
それぞれの業界では
通っている用語ですが

他の業界では通じないし
また
同じ言葉でも
違った意味で捉えられかねません。

法律関係の場合
法令名においては
正式名称が長いものも多く
例えば
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
ならば
独禁法 と略して言います。
マイナンバー法
行政手続における特定の個人を識別するための
番号の利用等に関する法律

というように
いちいち正式名称で言っていたら
「 寿限無 」 のような
落語の世界になってしまいますので
通常は略称で通じます。

論文等の出典の記載においても
法令名や
判例集,雑誌名などの表記には
正式名称ではなく
略称で記されています。

この場合には
最初に 凡例
掲載されています。

しかしどうしても
表示にばらつきが出ますので
ある程度の統一が
法律編集者懇話会 にて
検討されてきました。

法律編集者懇話会 とは
法令名の略語
判例集・判例評釈書誌の略称
定期刊行物の略称などを含め
「 法律文献等の出典の表示方法 」 について
形式の統一化を図ることを
検討することを目的として
法律関係の雑誌および書籍に携わる
編集者で組織された懇話会です。


法律文献等の出典の表示方法 [ 2014年版 ]
- 法律編集者懇話会

http://www.houkyouikushien.or.jp/katsudo/pdf/houritubunken2014a.pdf

NPO法人 法教育支援センター
http://www.houkyouikushien.or.jp/katsudo/


このような検討がなされていますが
多少の 表記のゆれ はあります。

ちなみに
重判 ( 重要判例解説 ) については
法律文献等の出典の表示方法 では
重判解 となっています。


図書館で利用者に
冒頭のように
略称で尋ねられた場合や
自分で文献に当たっている際に
略称名がわからない場合。
図書雑誌 ならば
凡例 を見れば解決します。

レジュメ等で
凡例が付いていない場合の
略称名の検索方法は

先ほど紹介した
法律文献等の出典の表示方法 の他に
次のようなツールを使うと便利です。

Webサイトの場合の一例として

法律文献等の出典の表示方法
- 神戸大学大学院法学研究科

http://www.law.kobe-u.ac.jp/citation/mokuji.htm

日本の判例集・法律文献略語一覧
- 福島大学附属図書館

https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/hanrei/hanrei.html

紙媒体の文献で検索する場合は

法律時報の12月号の巻末
文献略語表 が付いています。

以前は
1月号 に掲載 されていたのですが
( 2015年1月号 通巻1081号 まで )

2015年12月号( 通巻1093号 ) からは
12月号 に掲載 されています。

文献略語表 - 日本評論社
https://www.nippyo.co.jp/blogjihou/wp-content/uploads/2016/01/bunryaku-2015.pdf

法律時報 - 日本評論社
https://www.nippyo.co.jp/shop/magazines/latest/1.html

リーガル・リサーチ 第5版 いしかわまりこ 他著 / 日本評論社 2016.3
の巻末にも
法律文献等の出典の表示方法
および
文献略語表
の掲載があります。


これらの資料で
ほとんど対応できるのですが

以前に
レジュメを見せられて
判工 という資料がわからないとの
お尋ねがありました。

上記の検索ツールでも掲載がないので

国立国会図書館リサーチ・ナビ
当たったところ
判工
判例工業所有権法 の略称
ということが判明しました。

国立国会図書館リサーチ・ナビ は
知っておくと大変便利です。


判工 の掲載のあるページを
例として紹介します.

日本-分野別裁判例集 - その他分野別裁判例集
- 国立国会図書館リサーチ・ナビ

http://rnavi.ndl.go.jp/politics/entry/Japan-hanrei-admin.php
トップ > 政治・法律・行政 > 日本
> 判例資料 > 日本-分野別裁判例集


以上

読んでいただき,
ありがとうございました。





2017年2月15日水曜日

雑誌の号数が抜けてる? 話


法情報検索 各論 4 文献検索 5

ジュリスト と 週刊東洋経済 の例

以前に
判例時報 と 判例評論 の回で
書きましたが
各出版社独自のルールで
雑誌に巻号が付されているので
非常にわかりづらいものもあります。


雑誌書架や書庫で
雑誌の号数が抜けている
場合があります。

除籍や紛失で
欠号の場合は納得がいくのですが

所蔵があるのに
見つけることができないと
フラストレーションが溜まるし
何より時間が無駄になります。

「 ○○号が抜けている 」 との指摘が
たびたびあるのが
法学系雑誌では
ジュリスト です。

例えば
ジュリスト
1471号 ~ 1480号 まで
書庫からの出納依頼を受けたが
1479号 が抜けていて見当たらない!
といったケースです。

結論からいうと
1479号
ジュリスト臨時増刊号 の
【 平成26年度 】重要判例解説

いわゆる 重判 です。

重判巻次
ジュリストの通号表示 なっています。

一方
ジュリスト増刊
固有のタイトルで刊行され
論究ジュリスト
法律学の争点シリーズ など
別の巻号表示 になっています。
また
判例百選 の場合も
ジュリスト臨時増刊 1964年10月号
「 刑法判例百選 」より後の刊行は
別冊ジュリスト として
刊行されており
月刊のジュリストとは
別の巻号表示 になっています

と,非常に混乱しますが・・・。


探しづらくなる要因の一つ には
各図書館でローカルルールがあり
受入や排架の方法,
OPAC( 利用者用検索機 )表示
などが異なるため
です。

一般的に大学図書館での
排架
ジュリストとは別に
重判,判例百選,論究ジュリスト など
シリーズごと にまとめられています。
一方で
OPAC表示
雑誌では通号表示のみ
なっていることが多いです。

また
これは公共図書館にありがちですが
ジュリスト は年間契約で
雑誌 として受入れているが
臨時増刊号の契約は対象外で
雑誌受入れしていない。
しかし
利用者からのリクエスト等で
重判 のみを 図書 として
受入れしている場合です。

この場合は
OPACで探しづらいことはもちろん
司書に尋ねても
「 臨時増刊号は受入れていないのでありません。」
との回答をされたことがあります・・・。

確かに
この区の図書館で
所蔵しているはずだと思って
のちに自分で調べると
同区内の他館で
図書として所蔵していました・・・。


ジュリスト 以外 でも
同様の問い合わせがあり
巻号の付け方が紛らわしい
雑誌はあります。

他に一例をあげると

週刊 東洋経済臨時増刊 です。
この臨時増刊は
DETA BOOKシリーズ と呼ばれ
株価総覧,日本の企業グループ,CSR企業総覧
など
といった
統計・総覧
形態もレギュラーの 週刊 東洋経済 とは異なり
事典のように分厚いものです。

図書館でも
週刊 東洋経済 と混配になっていることは
まずありません。
しかし
巻次週刊 東洋経済
通号 になっていますので
OPAC表示が巻号のみですと
まずわかりません。

公共図書館においても
ジュリスト のように
受入形態が異なることが多いので
同様の回答を受けたことがあります。

これらの問題は
利用者には全く非がありません。

そして
これらが 問題となる
よくあるケース

授業で配布された レジュメ
論文等参考文献
シリーズ名等の記載がなく
通号表示のみの記載
なっている場合です。


排架法や分類法,目録法
資料組織法
本来,資料へのアクセスを
容易にするための方法
ですが
そのルールに則ったら
かえって
わかりづらくなるというのであれば
本末転倒です。

図書館側
例えば
サイン や ガイド で導いたり
リスト や パスファインダー などを作成する

といったように
プロの司書としての知恵を出し
サービスを向上に努めるべきであると
思います。

では
そのようなサービスの
行き届かない図書館で
利用者が検索する方法 として
“ サービスの充実している ”
他の図書館の蔵書目録
出版社のWebサイト など から
複合的に検索 してみてください。


~ 参考資料 ~

東京都立図書館 - 蔵書検索
https://catalog.library.metro.tokyo.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja

京都大学 KULINE - 蔵書検索
http://kuline.kulib.kyoto-u.ac.jp/?page_id=13

東京大学 - OPAC
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?lang=0

慶應義塾図書館 - 調べる・探す
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/search/index.html

有斐閣 - 雑誌
http://www.yuhikaku.co.jp/magazines

東洋経済 - 統計・総覧
https://store.toyokeizai.net/databook/


以上

読んでいただき,
ありがとうございました。




2017年2月12日日曜日

第一審 刑事判決書の構造


法情報検索 各論 3 判例検索 14

刑事訴訟において
事実審たる第一審では
公訴事実が存在するか否かや
量刑のための情状
など
事実問題に対しての
審理が行われます。

具体的に
刑事事件の第一審公判 では
通常は 被告人 に対し
有罪 ( 刑事訴訟法333条 )
無罪 ( 同法336条 )
裁判がなされますが
形式的な訴訟条件を欠くことを理由として
公訴棄却 の 判決 または 決定
( 同法338,339条 )

あるいは
管轄違いの判決 ( 同法329条 )
免訴の判決 ( 同法337条 )
など
が下される場合もあります。


刑事事件の第一審判決書の
記載事項
は以下になります。

◇ 事件番号
◇ 表題 【「判決」など 】
◇ 本籍 ( 刑事訴訟規則57条2項 )
◇ 住居 ( 同規則56条1項 )
◇ 職業 ( 同規則56条1項 )
◇ 氏名 ( 同規則56条1項 )
◇ 年齢 【 生年月日 】 ( 同規則56条1項 )
◇ 前文

前文

被告人のどのような事件について判決するのかが
被告人の表示 と 主文との間に記載 されます。
これは慣例であり法規規定ではありません。
なお
多くの場合
刑事訴訟規則56条2項 規定の
公判期日に出席した検察官名
この 前文中に表示 されます。
前文に検察官の表示がない場合
判決書末尾に記載 されます。
また
弁護人の記載は不要です。


最高裁判所判例集

参照項目 では
被告人氏名 は
最初に記載がありますので
参照項目では省略されています。
また
被告人の本籍,住居,職業,年齢はもちろん
下級審の事件番号,表題,前文
省略されています。


次に
◇ 主文
に記載される項目です。
主文において
刑の言渡し ( 刑事訴訟法333条 )
無罪 ( 同法336条 )
刑の免除 ( 同法334条 )
免訴 ( 同法337条 )
公訴棄却 ( 同法338条,339条 )
管轄違い ( 同法329条 )
および
訴訟費用の負担 ( 同法181条1項 )

といった
判決の結論 が記載されます。

その他に
未決勾留日数の本刑算入
( 刑法21条 )
労役場留置 ( 同法18条 )
刑の執行猶予 ( 同法25条 )
保護観察 ( 同法25条の2 )
など

主文に記載されます。

なお
判決の言渡し(宣告)の際には
主文が朗読されます。
( 刑事訴訟法342条 )
( 刑事訴訟規則35条2項 )



主文のあとには

◇ 理由
が記載されます。
( 刑事訴訟法44条1項 )
理由の内容
有罪判決 の場合
▽ 罪となるべき事実
▽ 証拠の標目
▽ 法令の適用

( 以上,刑事訴訟法355条1項 )
および
▽ 法律上犯罪の成立を妨げる理由
又は
刑の加重減免の理由となる事実が
主張されたときは
これに対する判断

( 刑事訴訟法355条2項 )
が記載されます。
その他に
▽ 累犯前科
▽ 確定裁判
▽ 事実認定の補足説明
▽ 争点に対する判断
▽ 量刑の理由
▽ 一部無罪,一部免訴,一部公訴棄却の理由

も場合により記載されます。


▽ 罪となるべき事実
とは
犯罪の構成要件に該当する事実です。
その事件における犯罪の
構成要件該当事実について
漏れなくすべてが
明確に記載されます。
その他には
事案に応じた
犯罪行為自体に関する事情の
軽重を示す事実の記載もなされます。

▽ 証拠の標目
罪となるべき事実を認定する証拠が
記載されます。
被告人の経歴,犯行動機,刑の減免事由など
それ以外の事実についても記載され
罪となるべき事実 や
犯行に至る経緯 などで摘示された場合は
それらについても
認定した証拠が記載されます。

▽ 累犯前科
懲役などの
累積加重の原因となる
前科がある場合には
記載されます。

▽ 確定裁判
刑法45条後段 の適用がある場合には
確定判決があった事実について
その裁判確定時と
それに対する証拠が
記載されます。
また
その確定判決があった事実と
今般の罪が
併合罪であることについては
法令の適用 の項目において
記載されます。

▽ 法令の適用
罪となるべき事実 に記載された
被告人の所業が
どのような犯罪なるのか
また
処断刑がなされたかについて
法条を表示しつつ
記載されます。
その他に
刑事訴訟法44条 に基づき
主文に表示した付随処分 についても
法令上の根拠が記載されます。

法令適用の順序 については
以下のとおりです。
1 構成要件 及び 法定刑 を示す規定の適用
2 科刑上一罪の処理
3 刑種の選択 ( 罰金か懲役かなど )
4 累積加重
5 法律上の軽減
6 併合罪の加重
7 酌量軽減
8 宣告刑の決定


このうち
法定刑に
2~7の加重・軽減の操作 を経て
裁定された刑を
処断刑 といいます。

宣告刑
法定刑に
加重・減軽した
処断刑の範囲内で
裁判官が
具体的に量定し
最終的に決定して
言い渡される刑です。

法定刑 とは
法律で定められている
刑の範囲です。
例えば
窃盗罪 であれば
10年以下の懲役
又は
50万円以下の罰金
です。


▽ 法律上犯罪の成立を妨げる理由となる事実の主張
例えば
正当防衛 ( 刑法36条1項 )
心身喪失者 ( 同法39条1項 )など
犯罪の構成要件該当事実以外で
法律上犯罪が不成立となる事実
を主張です。

▽ 法律上刑の加重減免の理由となる事実の主張
例えば
中止未遂 ( 刑法43条ただし書 )
心身耗弱者 ( 同法39条2項 )など
事実の主張です。

上二つの主張は
▽ 弁護士の主張に対する判断
といった見出しが付されています。
これらの主張は要約して記され
その上で裁判所の判断が記載されます。

その他の主張で
事実上の主張に対する
重要な争点である場合
には
証拠の標目 の後に
事実認定の補足説明
として記載され
法律上の主張に対する
重要な争点である場合
には
法令の適用 の後に
争点に対する判断
として記載されて
それらの主張に対する
判断がなされます。

▽ 量刑の理由
死刑や無期懲役に処する場合や
殺人罪等の重罪おいて
執行猶予付きの刑を言渡した場合に
多くは
法令の適用の次に
記載
されます。

▽ 一部無罪,一部免訴,一部公訴棄却の理由
主文で有罪判決としながらも
これらが認められる場合には
その理由が記載されます。


◇ 後文
次の項目が最後に記載されます。
▽ 判決書作成年月日 ( 刑事訴訟規則58条1項 )
▽ 裁判をした裁判所 ( 同規則58条1項 )
▽ 裁判官の署名押印 ( 同規則58条1項 )




~ 参考文献 ~

刑事判決書起案の手引 平成19年版 司法研修所 編 / 法曹会 2007.6

刑事判決書に関する執務資料 - 分かりやすい裁判をめざして
最高裁判所事務総局刑事局 監修 / 司法協会 1993.6

「 刑事判決書の平易化をめぐって 」
東京地裁・大阪地裁刑事判決書検討グループ
『 ジュリスト 』 994号 1992.2.1 34 - 39頁

法律文献学入門 - 法令・判例・文献の調べ方 西野喜一 著 / 成文堂 2002.7



以上

読んでいただき
ありがとうございました。




2017年2月10日金曜日

第一審 民事判決書の構造


法情報検索 各論 3 判例検索 13

最高裁判所は
法令違反の有無を判断する
法律審です。
事実の審理は
原則として行いません。

一方
第一審,控訴審は
事実認定と法律適用について
審理を行う
事実審です。

そのため
判決文の記載が異なります。

最高裁判所判例集 には
最後の項目で
事実審の詳細がわかるように
参照 として
第一審,控訴審の
判決を掲載
しています。

それらの構造を
説明する前に
まず
民事訴訟 の場合
判決書に記載すべき事項
民事訴訟法253条 により
① 主文
② 事実
③ 理由
④ 口頭弁論の終結の日
⑤ 当事者及び法定代理人
⑥ 裁判所

です。
⑥の裁判所には
裁判官名も含みます。

その他には
◇ 事件番号
◇ 事件名
◇ 表題( 「判決」など )
◇ 各当事者の訴訟代理人
◇ 送達場所

も記載されます。


判決書の形式
については
民事訴訟 の場合
平成2年1月に
新様式が公表されて以降
その形式に
旧様式新様式
とがあります。


では
最高裁判所判例集
参照項目 から
民事訴訟の第一審 の
記載について見ていきます。

事件名,当事者,訴訟代理人
最初に記載がありますので
参照項目では省略されています。
また
送達場所はもちろん
下級審の事件番号,表題
省略されています。

まず
◆ 口頭弁論終結の日
とあります。
これは
平成10年施行の
民事訴訟法改正で
新たに記載事項 とされました。

事実審において
口頭弁論終結日
判決確定により生ずる
既判力の基準時を
明確にするため

記載します。

口頭弁論終結日
控訴の場合
強制執行に対する
請求異議の訴え
( 民事執行法35条2項 )
辺りとも絡みますので
重要な意味をもちます

◆ 主文
訴えに対する応答として
判断の結論が
完全かつ簡潔に
記載されています。

民事判決書起案の際
連帯債務の場合の
書き方については
議論あるところですが

裁判官や学者でなければ
起案作成や研究は
しないと思いますし
また
ロースクール生の場合は
司法研修所 編
『 民事判決起案の手引き 』
法曹会 10訂版 平成18年

などで
勉強すると思いますので
詳細はそちらを
参考にしてください。

◆ 事実及び理由
旧様式
事実理由 に分け
事実 の欄に
第1 当事者の求めた裁判
・1 請求の趣旨
・2 請求の趣旨に対する答弁
第2 当事者の主張
・1 請求原因
・2 請求原因に対する諾否
・3 抗弁
・4 抗弁に対する諾否
・5 再抗弁
・6 再抗弁に対する諾否

の順で記載し
次に
第3 証拠
・1 原告
・2 被告
・3 職権

の順で記載される
といったように
「 事項別交互適示 」形式
なっています。

次の項目の
理由
において
提出された事実の
一つ一つに対して
丁寧に判断を
重ねて加えられて
主文たる結論を導き出した
判断が記載されます。


新様式 では
事実及び理由
として
合わせた項目に
なっています。

項目の内容
◆ 請求

その他には
・原告の請求
・請求の趣旨

といったように
記載はまちまちです。

旧様式にあった
・訴訟費用負担の申立
・仮執行宣言の申立
・請求の趣旨に対する答弁

の記載については
省略されています。

◆ 事案の概要
基本型の構成は
▼ 争いのない事実
▼ 争点
の二項目からなります。

しかし
事案によってはまちまちで
二項目に分けられていない
記載もあり
一方または双方とも記載のない
変形型のもあります。

▼ 争いのない事実
当事者の一方が
主張した事実に対し
相手方が
その存在を認めた事実です。

この態様には
二種類あり
主張事実を認める
● 自白
相手方の主張事実を争うことを
明らかにしない場合は
その事実を自白したものとみなす
● 擬制自白 ( 民事訴訟法159条1項 )
があります。

裁判所では
弁論主義 のもと
当事者間で争いのない主要事実
については
証拠によって認定する必要はなく
自白した事実に反する
事実認定もできません。
( 民事訴訟法179条 )
なお
主要事実 とは
構成要件に該当する事実
( 要件事実 ) です。

▼ 争点
原告の主張( 請求原因事実 )
に対し
被告が争うか否かの認否を
明らかにし
さらに
抗弁事由があれば
それを主張します。
それらは
訴状,答弁書,準備書面によって
言い分を主張します。
こういった応報の過程を経て
争いのある事実を絞り込み
争点とします。
争点
裁判の対象を判断するにあたり
重要な部分となります。

◆ 争点に対する判断
新様式の判決書では
争点に対する判断の記載が
判決書の中心 となります。

中心となる争点 については
認定した事実と
それに関連する
具体的証拠との結びつきを
明確に判断した上で
丁寧に記載されます。

判決にあたって
裁判所は
自由な心証に基づき
事実認定します

( 民事訴訟法247条 )
その場合
当事者の陳述内容
及び
主張や証拠提出の態様などの
口頭弁論の全趣旨
並びに
証拠調べの結果を
を酌み取って判断されます。

争点に対する判断の
記載
については。
①・・・
最初に認定事実を一括して
記載したあとに
各争点について判断する方法。

②・・・
争点ごとに
関係する認定事実と
それに基づく判断を
まとめて記載する方法。

があります。

◆ 裁判所名
裁判をした裁判所名が
記載されます。

裁判官の個別の意見 については
下級審の場合
地裁で裁判官が
単独で行う裁判においては
その裁判官の意見であることは
明らかです。
一方
地裁や高裁の
合議体でする裁判では
事件の結論や理由付けで
意見が割れた場合は
過半数により決定されます。
( 裁判所法77条 )
裁判官の意見が割れたかどうか
誰がどういった意見だったのかは
秘密とされています。
( 裁判所法77条 )
ここは最高裁の裁判と異なります。

最高裁判所判例集の
参照項目には
下級審の裁判官名は
省略されています。



~ 参考文献 ~

「 民事判決書の新しい様式について 」
大阪高・地裁民事判決書改善委員会,東京高・地裁民事判決書改善委員会
『 判例タイムズ 』 715号 1990.2.25 4 - 35頁

「 民事判決書の新しい様式をめぐって( 座談会 ) 」
出席者: 鈴木正裕,島田禮介,鈴木重勝,那須弘平,萩原金美,涌井紀夫
『 ジュリスト 』 958号 1990.6.15 15 - 36頁

民事判決起案の手引 10訂版 司法研修所 編 / 法曹会 2006.10

新問題研究 要件事実 司法研修所 編 / 法曹会 2011.9

判例学習のAtoZ 池田眞朗 編著 / 有斐閣 2010.10

法律文献学入門 - 法令・判例・文献の調べ方 西野喜一 著 / 成文堂 2002.7


以上

読んでいただき
ありがとうございました。




2017年2月5日日曜日

最高裁判所判例の構造


法情報検索 各論 3 判例検索 12

物事には
それぞれの
構造や仕組みがあります。
日常生活や
仕事での事務処理
その他
研究などを行う際に
それらの構造や仕組みを
理解しておくと
同様のものに
出会った時の処理を
迅速に行うことができます。

官報の構造 については
以前のブログ
「 官報の構成と検索 」
述べました。

今回は
最高裁判例の構造 について
述べたいと思います。

まず
最高裁判所の判例 について
判例集に掲載されている事項
前から順に
見ていきます。

① 事件名
民事 の場合は
原告の請求内容を
簡単に記載されたもの
刑事 の場合は
起訴状に記載される罪名が
事件名となります。
なお
報道記事の事件名とは
異なります


② 事件番号
事件番号については
以前のブログに書きました
ので
「 裁判所 事件記録符号の読み方 」
参照ください。

③ 裁判年月日 
判決または決定が下された年月日
および
審理および裁判を行った法廷名
( [ 第1~3 ] 小法廷 または 大法廷 )

裁判の種類 ( 判決または決定 )
が掲載されています。

④ 結論
最高裁判所が下す結論には
・(上告)却下
・(上告)棄却
・破棄差戻し
・破棄自判

などがあります。

民事訴訟 の場合
上告が不適法である場合 には
決定
上告を 却下 することができます。
( 民事訴訟法317条1項 )
明らかに上告理由に該当しない場合
決定
上告を 棄却 することができます。
( 同条2項 )

これら以外の場合は
口頭弁論を経た上
上告された内容に
理由がない場合 には
判決
上告を 棄却 することができます。
( 同法319条 )

一方
適法な上告 がなされ
かつ
上告された内容に
理由が認められる
( 認容する )
場合
または
訴訟要件などの
職権調査事項に関して
原判決を維持できないことが
判明した場合

原判決は 破棄 されます。
( 民事訴訟法322条 )

原判決を破棄 した上で
原裁判所
( 控訴審,高裁 )に戻し
もう一度審理
されることが
破棄差戻し ( 民事訴訟法325条 )
最高裁判所が自ら裁判 することが
破棄自判 ( 同法326条 ) です。

刑事訴訟 の場合
上告が不適法である場合 には
決定
上告を 棄却 することができます。
( 刑事訴訟法414条,385条,395条 )
訴訟手続上
例えば
・移送申立て( 刑事訴訟法19条 )
・保釈請求( 同法92条 )
・証拠調べ請求( 同法316条の5 )
・忌避申立( 同法429条 )
などの請求・申立を退ける場合
には
却下 することができます。

一方
民事同様

上告に理由がない場合 には
判決 により
上告を 棄却 ( 刑事訴訟法408条 )

上告された内容に
理由がある場合

または
刑事訴訟法411条 に掲げる
職権破棄事由 がある場合
には
原判決は 破棄 され
破棄差戻し ( 刑事訴訟法413条 )
破棄自判 ( 同法413条但書 ) などの
判決 がなされます。

⑤ 当事者
上告審の当事者の呼び名
民事 の場合は
上告した側を
上告人
された側を
被上告人
と呼びます。

刑事 の場合は
常に
検察官被告人 です。

⑥ 下級審の情報
第一審と控訴審を担当した裁判所
および
裁判年月日 が掲載されます。


以下の ⑦,⑧ の2項目については
判例の要点を確認するための項目 です。
これらは
判決の一部ではなく
最高裁判所判例委員会により
判例集を編纂する際に
付される項目
です。

⑦ 判示事項
裁判において
そもそも何について
判断したのか
争点を簡潔に要約 したものです。

⑧ 判決要旨( または 決定趣旨 )
事案の概要や
争点とその判断を
要約
したものです。
また
少数意見の有無
掲載もあります。

注意点 として
裁判所が判断するに至った
プロセスや事情
および
事案関係の特殊性について
判決要旨から判断することは
困難です。


以下の ⑨,⑩ の2項目は
判例の “ body ” といえる項目 です。

⑨ 主文
裁判の結論を
簡潔に述べたものです。

上告審では
原則,上告人が
原判決を不服として
上告した点について
判断されます。
( 民事訴訟法320条 )
( 刑事訴訟法392条,414条 )

これにより
主文はその請求に応答
する形で掲載されます。

⑩ 理由
主文と同様
上告理由( 民事 )
上告趣意( 刑事 )に応答

する形で述べられます。

理由の部分で
主文の結論に至った
思考プロセスが
詳しく論じられます。


理由の中身の構造
以下の通りです。

◇ 確定した事実
上告審は法律審なので
原則は
原判決において適法に確定した事実を
前提
とします。
( 民事訴訟法321条1項 )
原審の
事案の概要
について
法的な視点で整理 されて
掲載されます。

◇ 訴訟の経緯
第一審や控訴審
どのようなものであったのか。
それらの 経緯 が掲載されます。

◇ 法的判断
判例を見る際のキモの部分 です。
具体的な事実を前提 として
その案件について
あてはめ法的評価 が行われ
それに基づき
法の適用について判断 がなされ
結論に導いた
裁判所の見解
が述べられています。

◇ 裁判官の意見
最高裁判所 の裁判の場合のみ
個別の裁判官の意見
表示しなければなりません。
( 裁判所法11条 )
これは
最高裁判所裁判官の国民審査
( 憲法79条2項,4項 )
のためです。

意見が分かれた場合
その 裁判の結論となった意見
法廷意見( 多数意見 )
その他に
多数意見に賛成 した裁判官が
更に何か 付け加えた意見
補足意見
結論には賛成 だが
理由づけが異なる意見
意見
多数意見に
理由,結論ともに反対の意見

反対意見
といいいます。


これ以下の ⑪,⑫ の2項目は
判例データベースの
テキストページ
では
通常 カット されています。

⑪ 上告理由,上告趣意
上告人が
原判決を不服として
上告した理由
です
上告理由( 民事 )
上告趣意( 刑事 )

が掲載されています。

上告理由,上告趣意 については
以前に書いたブログ

参照ください。
「 上告趣意 上告理由の検索 」

⑫ 参照
第一審,控訴審の
主文と事実および理由

掲載しています。


~ 参考文献 ~

判例学習のAtoZ 池田眞朗 編著 / 有斐閣 2010.10

法律文献学入門 - 法令・判例・文献の調べ方 西野喜一 著 / 成文堂 2002.7

判例とその読み方 中野次雄 編著 / 有斐閣 2009.4



以上

読んでいただき
ありがとうございました。




2017年2月2日木曜日

ゴミの帰属について


“ ガーボロジー ” について
その行為が
犯罪とならないかについて
詰めて考えていったとき
そもそも
ゴミ( 廃棄物 )を
持ち去る行為は
窃盗罪などにあたるのか

という問題に当たります。

ゴミとは
それ自体に財産的価値があったとしても
通常不要になったので
捨てたものであるから
所有権,占有権を放棄したものなので
無主物であり
窃盗(刑法235条)には当たらない。
また
無主物であれば
遺失物や漂流物
その他
占有を離れた他人の物
でもないので
遺失物等横領(刑法254条)にも当たらない。
とも考えられます。

一方で
集積所に出されたゴミは
排出者から自治体に対して
譲り受けたものなので
ゴミの所有権は
自治体に帰属するという
解釈もあります。

この件について
裁判例は分かれています。
まず
ゴミを集積所に置いた時点で
無主物になるものではない。
とする裁判例


東京高判 平成19年12月10日
平成19年(う)第1087号


東京高判 平成19年12月13日
平成19年(う)第1025号


東京高判 平成20年1月10日
平成19年(う)第1068号


東京高判 平成19年12月26日
平成19年(う)第993号
平成19年(う)第1018号
平成19年(う)第1031号


がありますが

東京高判 平成19年12月13日
平成19年(う)第1025号


においては
集積所の資源廃棄物は
一般的には無主物ではないと
しながらも


「 区民の中には
古紙等を集積所に排出した時点で
所有の意思を放棄したとみるのが
相当な場合も考えられない訳ではない。
その場合には
その資源廃棄物は
民法上の無主物と
いわざるを得ないであろう 」


というように
私法上の帰属については
明言を避けています。


次に
権利の移転時期 については

東京高判 平成19年12月10日
平成19年(う)第1087号


では
明言をしていません。

それ以外では
自治体によって回収されるまでは
排出者によって所有・占有されていると
見るべきであり
自治体が回収することによって
その所有権や占有権が
自治体に移転,承継されるものと
考えるのが相当とする裁判例


東京高判 平成19年12月13日
平成19年(う)第1025号


東京高判 平成20年1月10日
平成19年(う)第1068号


であり

集積所に置かれた時点から
自治体の所有に属する

とするのが

東京高判 平成19年12月26日
平成19年(う)第993号
平成19年(う)第1018号
平成19年(う)第1031号


の裁判例です。

これらの裁判例
資源ゴミの持ち去り問題の
対策として
自治体が持ち去り禁止条例を制定し
その条例違反行為で告発がなされて
裁判で争われたケース
です。

資源ゴミの持ち去り問題 とは
古紙等の再生資源価格の下落によって
資源となっていた古紙等が
大量のゴミとなり
行政が資源を回収し出したところ
再び資源ゴミに価値が付いたため
持ち去る者が出てきました。

彼らが
全ての資源ゴミを回収すれば
問題はないのですが
価値の高いものしか持っていかず
それにより
集積所が荒らされるなど
回収コストが増え
経済的損失も大きく
行政の信用にかかわる問題でもあるので
対策として条例を制定し
持ち去り行為を抑止するという
ことが目的です。

それらの事情を鑑みれば
裁判所でも
有罪の方向へ持っていくような
法理論を立てるのは当然でしょう。

ですから
これらが 対象 としているのは
古紙,ガラス瓶、缶などの
再利用の対象となる資源ゴミ
であって
一般ゴミが対象ではありません。

ただし
自治体により
適正にごみステーションに排出された
家庭系一般廃棄物の持ち去り行為を
一般的に禁止している条例
もあります。

◇ 下関市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例

( 収集又は運搬の禁止等 )
第10条

市又は市から収集又は運搬の委託を受けた者以外の者は
前条第2項 の規定により
適正にごみステーションに排出された
家庭系一般廃棄物を収集し
又は運搬してはならない。
2項
市長は
市又は市から収集又は運搬の委託を受けた者以外の者が
前項の規定に違反して
ごみステーションに排出された
家庭系一般廃棄物を収集又は運搬したときは
その者に対し
これらの行為を行わないよう
命ずることができる。

( ごみステーションの管理 )
第9条 2項

ごみステーションの利用者は
家庭系一般廃棄物の排出に当たっては
当該家庭系一般廃棄物を分別し
飛散又は流出しないように
市長の指示する方法により収納し
かつ
指定された日時に排出する等
適正にこれを行わなければならない。


本条例の第10条 については
循環型社会形成推進基本法 第7条
違反するものとはいえない。

との裁判例があります。

広島高判 平成20年5月13日
平成19年(う)第241号
下関市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例違反事件



翻って
排出されたゴミを無主物とした
裁判例
もあります。

最二小決 平成20年4月15日
平成19年(あ)第839号
窃盗,窃盗未遂,住居侵入,強盗殺人被告事件


「 ダウンベスト等の領置手続についてみると
被告人及びその妻は
これらを入れたごみ袋を不要物として
公道上のごみ集積所に排出し
その占有を放棄していたものであって
排出されたごみについては
通常そのまま収集されて
他人にその内容が見られることはないという
期待があるとしても
捜査の必要がある場合には
刑訴法221条により
これを遺留物として
領置することができるというべきである。
また
市区町村がその処理のために
これを収集することが
予定されているからといっても
それは廃棄物の適正な処理のためのものであるから
これを遺留物として領置することが
妨げられるものではない 」


この裁判例
先出の
「 資源ゴミ 」 のケースとは真逆
捜査の正当化のために
ゴミを
刑訴法221条の「 遺留物 」
としなければならないという
前提で法理論を立てているので
このケースでは
集積所に排出されたゴミは
自治体による回収如何にかかわらず
無主物
としています。


これらを踏まえて
ゴミの帰属 を考えると
今のところ
ケースバイケースで
判断
されているようです。

よって
国家機関や捜査機関ではない
私人による
ガーボロジー は
目的や他の行為,情状と絡めて
有罪と判断される
おそれがある
と考えます。


ちなみに
ワイドショーなどで
特集されている
“ ゴミ屋敷 ” と呼ばれている
ゴミに埋もれている
家がありますが

あの
家を埋めつくしているモノ
ゴミ集積所へ排出されたものでなく
所有者の管理下にあり
所有・占有を放棄している
とはいえないので
所有者の許可なく持ち去れば
窃盗です。


所有者本人も
ゴミと言ってませんよね。

だから行政も困っているわけです。

近隣の住民は
悪臭や火災等の心配で
たまったものではありませんが・・・。


~ 参考文献 ~

垣見隆禎「 判研 」自治総研 通巻411号 2013年1月号 58頁

埼玉県清掃行政研究協議会
『 平成21年度調査研究事業 一般廃棄物行政諸問題検討部会報告書 』


ダイナックス都市環境研究所
『 資源ごみ持ち去り問題と自治体の対応 』

http://www.dynax-eco.com/repo/report-42.html
(アクセス日 平成29年2月1日)

世田谷区例規類集・要綱集
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/107/157/722/729/d00120036.html
(アクセス日 平成29年2月1日)

杉並区例規集・要綱集
http://www5.e-reikinet.jp/cgi-bin/suginami/startup.cgi
(アクセス日 平成29年2月1日)

大田区例規集
http://www.city.ota.tokyo.jp/reiki/reiki/reiki.html
(アクセス日 平成29年2月1日)

下関市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例
( 平成17年2月13日 条例第198号 )

http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/reiki/reiki_honbun/r147RG00000479.html
(アクセス日 平成29年2月1日)


以上

読んでいただき
ありがとうございました。