2017年6月20日火曜日

民法改正法案〈 債権法関係 〉の成立


6月18日に第193回(平成29年)
通常国会が閉会しました。

今国会で
平成29年5月26日の
参議院本会議の可決により
改正民法
( 民法の一部を改正する法律案
〈 債権法関係 〉など )

がようやく成立しました。

公布年月日・法律番号
平成29年6月2日 法律 第44号


この法案は
平成27年3月31日第189回国会に
提出されましたが
これまで継続審議となっていたので
「 やっと成立 」 したという感じです。

提出回次: 第189回
議案種類: 閣法 63号
議案名: 民法の一部を改正する法律案


これは以前のブログ
法律案の検索
( 2016年6月6日月曜日 )
議員立法と国民の選択
( 2016年7月1日金曜日 )
でも書きましたが
この法律案は
選挙の際に
“ 票 ” につながる法案
でもないし
“ 共謀罪 ”
組織的な犯罪の処罰及び
 犯罪収益の規制等に関する
 法律等の一部を改正する法律案

 今国会で成立。)
のように
マスコミが騒ぎ立てる
こともなく
法制審議会民法(債権関係)部会 で
じっくり審議された上での
内閣提出法案なので
確実に通るものであり
緊急度が低く
国際関係など
優先させる他の行事も
あったことから
成立が遅くなったものと考えられます。

今国会で成立した民法改正につき
関連書籍が書店に並んでいますが

審議の過程や内容,
改正の目的や対象など

詳細 については
法務省のWebサイト
掲載されています。

▼ 法制審議会 - 民法( 債権関係 )部会
- 法務省

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingikai_saiken.html

▼ 民法の一部を改正する法律案
- 法務省

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00175.html


見直しの対象
改正の議案要旨 を見るには
こちらのサイトが便利です。

▼ 民法(債権関係)の見直しについて
- 法務省

http://www.moj.go.jp/content/000103338.pdf

▼ 民法の一部を改正する法律案
- 議案情報 第193回国会(常会)
- 参議院

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/193/meisai/m19303189063.htm

改正の要綱
新旧対照条文,議事録等
見るにはこちらが便利です。

▼ 民法(債権関係)の改正に関する要綱案
- 法務省
(平成27年2月10日決定)

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900244.html

▼ 民法の一部を改正する法律案 
- 新旧対照条文 - 法務省

http://www.moj.go.jp/content/001227284.pdf


国会で内閣提出法案審議の前に
修正を加えた案が
提出されることがありますので
最終的にそこをチェックする
必要があります。

▼ 閣法 第189回国会63号
  民法の一部を改正する法律案 - 衆議院

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18905063.htm


今回の 改正民法
( 民法の一部を改正する法律案
〈 債権法関係 〉など )
の場合は
元の法律案から
附則 第15条 第2項 の
「 平成二十七年法律第 号 」
から
「 平成二十九年法律第 号」
に改めたのみ
ですので
( 修正案2:第193回提出 (可決) )
内容には特に影響がありません。

※ 2年間“ 塩漬け ”に
  なっていたので
  年月も進みますのでね・・・。

▼ 民法の一部を改正する法律の施行に伴う
  関係法律の整備等に関する法律案
- 議案情報 - 第193回国会(常会)
- 参議院

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/193/meisai/m19303189064.htm

▼ 修正に係る新旧対照条文
- 新旧対照条文 - 法務省

http://www.moj.go.jp/content/001226884.pdf


一方
修正案1否決 されています。
これは
野党提出の修正案ですので
否決されるのが通常です。

ちなみに
今回の
債権関係等の改正法以前に
第190回国会で成立した
女性の再婚禁止期間の措置
についての一部改正法
についての
法律案要綱,議案情報,
新旧対照条文 等
の情報はこちらです。

提出回次:第190回
議案種類: 閣法 49号
議案名: 民法の一部を改正する法律案
公布年月日・法律番号:
平成28年6月7日 法律 第71号


▼ 民法の一部を改正する法律案 - 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00181.html

▼ 民法の一部を改正する法律案
- 議案情報 - 第190回国会(常会)
- 参議院

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/meisai/m19003190049.htm


新法・改正法について
立法担当者や
関連審議会・研究会等の委員が執筆した
解説記事 が掲載されている
資料の検索については
龍谷大学の書誌データベース があります。

▼ 新法・改正法解説記事書誌情報検索
- R-LINE

http://www.ryukoku.ac.jp/apps/opac.lib.ryukoku.ac.jp/rline/


さらに
司法書士試験受験者の方などは
TAC/Wセミナー
Webサイトの特設ページ にて
「 改正民法の概要 」
「 オートマシステム 」
山本浩司 講師 の
特別公開講義動画

見ることができます。
( レジュメあり )

▼ どうなる? どうする? 改正対策!
  民法改正情報ヘッドライン
  山本浩司特別公開講義

http://www.w-seminar.co.jp/shisho/shisho_minpou.html

▼ 山本浩司 民法改正 特別公開講義
  どうなる?どうする?改正対策!
   司法書士受験生のための
  『今から知っておきたい民法改正!』
   2016年7月9日(土)- レジュメ

http://www.w-seminar.co.jp/file/w-seminar/shisho/pdf/shisho_minpou.pdf


民法改正の試験への影響については
施行日と関連します。
受験をされる方は
LEC辰已法律研究所
Webサイトでわかりやすく
説明されていますので
ご参考ください。

▼ 民法改正の試験への影響 - 行政書士
  LEC東京リーガルマインド

http://www.lec-jp.com/gyousei/about/kaisei_minpou.html

▼ 民法(債権法)改正の概要と
  辰已法律研究所の対応について
  - 辰已法律研究所

http://www.tatsumi.co.jp/shin/tokusetu/kaiseiminpou/

( 以上,アクセス日:平成29年6月20日 )


なお
施行日については
附則に規定されています。

附則( 施行期日 )
第1条
この法律は
公布の日から起算して
3年を超えない範囲内において
政令で定める日から施行する。
ただし
次の各号に掲げる規定は
当該各号に定める日から施行する。
1 附則第37条の規定
 公布の日
2 附則第33条第3項の規定
 公布の日から起算して
 1年を超えない範囲内において
 政令で定める日
3 附則第21条第2項及び第3項の規定
 公布の日から起算して
 2年9月を超えない範囲内において
 政令で定める日

第189回 国会
閣法 第63号
民法の一部を改正する法律案
より。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。

2017年6月17日土曜日

東京都および特別区の職員ハンドブックを購入するには


職員ハンドブック
公務員の採用試験
公務員の昇任昇格試験 などの
参考文献 として
よく使われています。

その他に
この 職員ハンドブック
地方自治行政の基礎的資料
集約 されて
上手くまとまっているので
まずこの資料に当たってから
さらに詳細な行政資料や文献へと
広げることができるので
地方自治の政策研究等 について
調査参考 などにする場合の
足掛かりとなる資料ですので
非常に重宝します。

しかし,もともとは
東京都特別区職員用 として
発行されているので。
一般の方が購入するには
ルートが限定 されています。

そこで
これらはどこで入手できるか
情報をご案内いたします。
( 調査日:2017年6月16日 )


職員ハンドブック 2017年(平成29年)版
東京都総務局人事部 編
一般財団法人
東京都人材支援事業団人材育成センター 発行
2017年(平成29年)3月 発行
A5判,本文652ページ




職員ハンドブックの発行目的は
東京都職員として
職務上必要な基礎的・実務的知識の
習得や自己啓発を目的
としています。

発行の間隔は
昭和25年(1950年)以来
ほぼ 隔年で発行 されています。

内容 について
目次編と章の部分のみ
紹介しますと次のとおりです。

第Ⅰ編 東京と都政
 第1章 東京の現状
 第2章 都政の基本方針

第Ⅱ編 地方自治制度と都の行財政
 第1章 地方自治制度
 第2章 地方分権の推進
 第3章 都行政の仕組み
 第4章 地方財政制度と都財政

第Ⅲ編 組織と仕事
 第1章 人事
 第2章 文書
 第3章 財務
 第4章 都民と都政
 第5章 都庁のICT化の推進
 第6章 仕事の進め方
 第7章 人権
 第8章 接遇
 第9章 統計

自己啓発のための参考図書等



職員ハンドブック 2017
販売 については

価格
1冊 400円(税込)

販売場所
くまざわ書店 都庁店
( 東京都庁第一本庁舎2階 )


※ くまざわ書店 都庁店 1階は工事中。
( 2019.6.16 現在 )

営業日および時間
都庁開庁日
通常は
月 ~ 金( 祝日を除く )
※ 土・日・祝日は休み。


一般来庁者の利用時間
9:00 ~ 18:45

これは
一般来庁者は 18:45 までに
庁舎から
退出しなければならないからです。

販売 は現在のところ
都庁第一本庁舎2階 の
くまざわ書店 都庁店 でしか
取り扱っていない
そうです。

店員に尋ねたところ
電話での注文
発送サービス はするそうです。
ただし郵送の場合
発送料(発送先により料金はまちまち)と
支払代引きのみ だそうなので
その手数料がかかるため
1,000円以上はかかってしまうことを
ご了承くださいとのことです。
( 2019.6.16 現在 )

詳細は電話にて直接書店にお尋ねください。
℡ 03 - 5320 - 7537


売店のご案内 -
一般財団法人 東京都人材支援事業団

http://www.tokyo-jinzai.or.jp/shops/

都政情報 に関するページはこちらです。

都政情報
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/index.html
東京都トップページ > 都政情報


特別区職員ハンドブック 2017
特別区人事・厚生事務組合
特別区職員研修所 編
株式会社 ぎょうせい 発行
2017年(平成29年)3月 発行
A5判,本文732ページ




こちらも特別区職員として
職務上必要な基礎的・実務的知識の
習得や自己啓発を目的としています。

発行の間隔は
ほぼ 隔年で発行 されています。

内容
目次( 編と章の部分 )


巻頭論文 大森彌( 東京大学名誉教授 )

第I編 特別区と区政
 第1章 23区のすがた
 第2章 東京23区の現況
 第3章 区民のくらしと区政
 第4章 人権

第Ⅱ編 自治制度と特別区
 第1章 地方自治制度
 第2章 地方税財政制度
 第3章 地方分権
 第4章 特別区制度の沿革

第Ⅲ編 組織と仕事
 第1章 組織と職員
 第2章 区政の運営
 第3章 人事
 第4章 財務
 第5章 文書



特別区職員ハンドブック 2017 
販売 について

価格
1冊 860円(税込)

販売場所
くまざわ書店 都庁店
上記参照。

八重洲ブックセンター 本店
営業日および時間
月 ~ 金:10:00 ~ 21:00
土・日・祝日:10:00 ~ 20:00
℡ 03 - 3281 - 1811

http://www.yaesu-book.co.jp/

特別区自治情報・交流センター
( 東京区政会館4階 )

月 ~ 金:9:30 ~ 20:30
土:9:30 ~ 17:00
※ 日・祝日・図書整理期間
年末年始は休み。
℡ 03 - 5210 - 9051

https://www.tokyo-23city.or.jp/base/center.html

株式会社 ぎょうせい( 送本 )
ぎょうせいオンライン - 特別区職員ハンドブック
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9342

この他にも
一般に流通している
地方公務員として
必要な基礎知識をまとめた
同様の趣旨の本で
必携自治体職員ハンドブック
があります。

必携自治体職員ハンドブック 第3次改訂版
公職研編集部 編
公職研 出版
2017年4月25日 発売
A5判,465ページ




目次( 編と章の部分 )

第1編 地方行政の動向と課題
 第1章 地方分権
 第2章 地方行財政の現状と課題
 第3章 少子高齢化社会
 第4章 電子自治体の推進
 第5章 環境行政
 第6章 国際化社会
 第7章 教育行政
 第8章 地域づくりと地域活性化・地域振興
 第9章 危機管理
 第10章 情報公開制度と個人情報の保護
 第11章 行政手続
 第12章 人権
 第13章 政策形成過程

第2編 地方自治の諸制度
 第1章 地方自治制度
 第2章 地方財政制度
 第3章 地方公務員制度

法令用語の豆知識


価格
2,484円(税込)


内容は
東京都や特別区の職員ハンドブックと
あまり変わりません。
ただ
地方自治体全般について
書かれているので
東京都や特別区のように
個別具体的ではなく
その地域に特化した
課題や取組などの記載はありません。

一方
東京都特別区
職員ハンドブック でも
地方自治全体の内容や制度等を
説明したうえで
個別の事項に入っているので
内容的に見ても
地方自治全体の内容や制度のほか
沿革,組織,取組や
基礎的なデータを知るための
資料としては十分
であり
都内にお住まいの方は
価格も手頃
金銭的負担もかなり軽く
コスパの良い
東京都 および 特別区
職員ハンドブック の購入を
おススメ します。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。

2017年6月4日日曜日

図書館資料の貸出冊数と継続借受ルールの運用

前回
図書館サービス について
公共財の性質占有期間
バランス を考え
その 合理的な落としどころ といった
貸出期間の決定プロセスについて
書きました。

合理的な貸出期間 が設定されると
つぎに
その貸出期間に読むことができる
合理的冊数 として 貸出冊数
決まります。

この 貸出冊数の決定 については
前々回書きました
「 図書館の名目的効用 」
数値を形式的に上げるため
貸出冊数を多く設定 している
自治体もあります。

また
専門書や長編小説など
読むのに時間を要する本もある一方で
絵本などすぐに読み終わってしまう
本もありますので
資料の特徴 も考えます。
さらに
図書館の 蔵書数 なども
考慮する必要があります。
蔵書数が少ないのに
貸出冊数を多くすれば
図書館資料の在庫数も
少なくなってしまい
利用者が来館しても
資料が慢性的に無い状態に
なってしまいます。

また
大学の場合
貸出日数貸出冊数 が多いのは
目的研究 であり
研究論文作成のためには
それなりの 資料数日数
必要とするからです。

一方で
法科大学院の場合
目的が研究ではなく
実務家養成のための学習に
資するための蔵書構成

なっているので
大学図書館に比べて
規模がかなり小さく
蔵書数も少ない
ので
貸出日数 および 貸出冊数
多くすれば
在庫資料が少なくなってしまい
必要な時に
慢性的に資料がないとなると
法科大学院図書室の用を成さない
ので
ロースクールによっては
全て禁帯(貸出不可)としている
図書室もあります。

このように
貸出冊数の決定 には
貸出期間に読むことができる
合理的冊数
を前提に
・図書館の名目的効用
・扱っている資料の種類
・図書館の目的
・蔵書数 など
を踏まえて
設定されています。

つぎに
同一の資料を同一の利用者が
継続して借受けのできる図書館

連続しての借受けはできず
1日おいてからならば
再度借受けが可能な図書館
との
サービスにおける
考え方の違いについては
まず
公共図書館 の場合
サービスの主体
「 貸出し 」 と考えている
自治体ならば
「 公共財 」と「 占有 」 の
概念よりも
「 名目的効用 」
優先
他の利用者が貸出中の資料を
借りたければ
予約をすればよい
と考えるからです。
また
蔵書数も関係 します。

それから
仮に1日おいて貸出しが可能と
利用者に訴えても
モラルのない利用者ならば
返本されれば確信犯的に
また借りに来ますので
そのような 運用に効果はでない ので
継続貸出可能としていると
考えられます。

一方
1日おいて再度借受可能とする
図書館は
蔵書数 を鑑みた上で
「 公共財 」「 占有 」
概念を優先し
性善説を前提
利用者の規範意識( モラル ) に訴える
といった
運用 と考えられます。

法科大学院図書室 の場合ならば
蔵書数と図書室の目的を
考慮した上の運用
ですので
「 貸出し 」サービスより
「 調べる 」,「 参考にする 」ことを
優先としています。
それから
仮にルールを守れない
ロースクール生が多ければ
運用を変えて
全て禁帯とすることも容易であり
原則論である
「 公共財 」 と 「 占有 」 の
概念を優先して
まずは
利用者の規範意識( モラル ) に訴える

としていると考えます。

もし
前回の冒頭のような質問を
ロースクール生がしてくれば
このような長い説明はいらず

図書館資料は
“ 公共財(的) ” であって
その利用については
“ 公共 ” の制約を
受けることになる。


と,説明すれば
ほとんどの方は理解してくれます。
おそらく
このブログをご覧になっている方も
同様だと思います。

“ 公共財(的) ” なので
占有(独占)することはできず
もしも
借りようとしている資料
独占して
線引きや書き込みをしたり
ページを折るなど
自分自身でカスタマイズ
したい場合や
手元に置いておきたい のならば
相当の対価を払う。
つまり
書店などで
購入 すればよいのです。

これが
物事を合理的に考えられる人 です。

しかし
公共図書館の一部の利用者 のように

・永久に継続貸出をして独占する。
・その時点において必要のない資料を
 借りたり( 積読状態 )
 予約取り置きする。
・借りた資料を延滞する。
・予約本の取り置き期限を延ばしまくる。
・当日の新聞を全部独り占めする。
・本を汚す。ページを折る。
 線引き,書き込みをする。
・図書館員が注意すると逆切れする。


こういった問題行動を起こす
悪質“ フリーライダー ”
本質的に ケチ であり
合理的思考ができず
自分のエゴを通そうとします。

そういった輩にかぎって
クレーム が多く
やたらと“ 税金 ”といってきたり
“ 性善説 ” を振りかざします。

公共施設で働く図書館員ならば
“ 図書館利用者あるある。”
といったところでしょう。

賃金が安い上に
こういった輩を毎日相手にしている
“ 現代の「 蟹工船 」的職場 ”
ともいえるような
公共施設で働く図書館員は
ホントにストレスもたまるだろうと
お察しします。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。

2017年6月2日金曜日

公共財としての図書館資料と貸出日数


何かのトラブルがあったときや
フラストレーションがたまったときは
気前のいい人
金で解決 しようとする。
一方
ケチな人
文句を垂れる。
クレーム をつけてくる。

このことは一般社会において
よく言われることです。

司書をやっていると
ホントにその通りだよな。
と,思います。

ところで
図書館サービスについて
サービスの仕組みが知りたいので
色々と細かく聞いてくる方と
自分の思い通りにならないので
クレームをつけてくる方がいます。

確かに一般の利用者は
図書館サービスについて
融通が利かなくて
フラストレーションがたまるので
色々とクレームをつけたくなる
ことはよくわかります。

そこで
図書館サービスの一環 である
「貸出し」 の際によくある
問い合わせについて
例を挙げますと。

図書館サービス
大学 ならば 大学の図書館ごと
自治体の公立図書館 であれば
各自治体
それぞれ異なった
独自の運用
がなされています。

つまり
一律のサービスではありません。

例えば
A市の図書館貸出冊数は30冊
貸出期間が2週間 である。
これに対して
B市の図書館 では 10冊の貸出冊数
3週間の貸出期間 である。

大学 においては
C大学図書館 貸出冊数が20冊
貸出期間が30日 である。
一方
C大学に付属する 法科大学院図書室
貸出冊数は5冊
貸出期間が2週間 である。

なぜ違うのか。
との質問を受けることがあります。

まずはこのように
各図書館でサービスが異なる
ということを
認識しておいてください。

それから
このような問い合わせもあります。

A図書館 では
利用者甲が現在借りている本を
一度返却手続きをしてから
再び同じ本を同一の甲が借りる。
つまり他の利用者の予約がなければ
永久に継続貸出しができる。
しかし
B図書館 では
借受期間満了前に返却手続きをして
同じ本を借りたいと要求したが
一日あけてからご利用ください。
と言われ
同一の本を同じ利用者が
連続で借りることができない。


A図書館では可能なのに
B図書館はなぜできないのか。

こういった問い合わせに対して
「決まりだから」 と答える
司書がいますが
利用者は “ なぜ ”
知りたいのであって
つっけんどんに「決まり」
と言われると腹も立つでしょう。

まあ
そういった答え方をする司書は
自分でもよくわかっていない人が
ほとんどでしょう。
そんな司書に当たったら
血圧も上がると思いますので
代わってお答えします。

まず
公共図書館の資料公共財 です。
公共財の特徴
非排除性非競合性 にあります。
非排除性 とは
対価を支払わなくても
誰でも自由に利用できることです。
非競合性 とは
ある人が消費しても無くならず
他の人の消費量に影響がない性質です。

経済学を修めている方ならば
通りが早いのですが
それ以外の方は

公共財 とは
多数の人々が同時に利用できる
モノやサービス。

ということを認識してください。
そして
多数の人々が同時に利用可能
ということは
「 占有できない 」
ということです。

例えば
公道の場合
通常は誰かが歩いていたら
歩くことはできない
ということはないですよね。
お金を払う必要もありません。

しかし 図書館の場合
誰かがある本を読んでいたり
借りていたら
他の人は読むことがでないので
“ 一定期間占有する ” ことは
やむを得ません。
これは
物理的に仕方がないことなので
多くの人に利用して(読んで)
もらうには
一定の合理的な貸出期間を
決める必要があります。


その期間を1週間とすると
読むには少し短すぎる。
1か月とすれば
多くの人に行き渡りづらくなるし
延滞も発生しやすくなる。
そこでこれらを総合的に鑑みて
その間を取って
2週間 もしくは 3週間 という
期間が設定されてきます。

また,補足すると
求める本や雑誌が
その自治体に無い場合は
他の自治体から
取り寄せることができるサービス

あります。
この場合
自治体間での貸借期間が
決められています
ので
その期間から
運送関係の日数を差し引いて
考慮した場合。
例えば
東京都の23区内 ならば
2週間が妥当 という結論になります。

それと
これは利用者が認識していない
ことが多いのですが
貸出期間2週間 といっても
例えば
資料を予約や取寄せをした場合
その利用者のために
確保しておく期間

1週間 としておく図書館が多く
実質は3週間
その利用者が占有
している
ことになります。

これは
利用者側も仕事などの都合もあり
資料が届いても
すぐに来られないので
まあ,仕事ならば
1週間に1日は法定休日が
ありますので
1週間あれば
通常取りに来ることが可能と考え
1週間と設定している
と考えられます。

この期間について
その資料を取り置いている場合
当の利用者は利用していませんが
他の利用者も利用できません
ので
誰も利用できない
“ 死蔵 ” の状態
になります。
これでは公共財としての
効用がありませんので
図書館(行政)側
多数の人が利用できるように
この 占有期間をできるだけ無くしたい
あるいは短くしたい
ところですが
先の理由から
合理的に考えられる最低ラインの
取り置き期間で設定
されている
と考えられます。

しかし
当の利用者側はサービスを
受けている認識がない
ので
よくトラブルが起きる
ポイントでもあります。

このように
まずは
合理的に算出された
取り置き期間を含めた貸出期間が決定

されます。


分量が多くなりましたので
貸出冊数の決定や
その他の問題については
次回以降に回します。


サービスの趣旨 としては
公共財の性質
一般人が利用しやすいと考えられる
最低限の占有期間

バランス を考え
それらの合理的な
落としどころで決定
される
と考えてください。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。