2017年6月2日金曜日

公共財としての図書館資料と貸出日数


何かのトラブルがあったときや
フラストレーションがたまったときは
気前のいい人
金で解決 しようとする。
一方
ケチな人
文句を垂れる。
クレーム をつけてくる。

このことは一般社会において
よく言われることです。

司書をやっていると
ホントにその通りだよな。
と,思います。

ところで
図書館サービスについて
サービスの仕組みが知りたいので
色々と細かく聞いてくる方と
自分の思い通りにならないので
クレームをつけてくる方がいます。

確かに一般の利用者は
図書館サービスについて
融通が利かなくて
フラストレーションがたまるので
色々とクレームをつけたくなる
ことはよくわかります。

そこで
図書館サービスの一環 である
「貸出し」 の際によくある
問い合わせについて
例を挙げますと。

図書館サービス
大学 ならば 大学の図書館ごと
自治体の公立図書館 であれば
各自治体
それぞれ異なった
独自の運用
がなされています。

つまり
一律のサービスではありません。

例えば
A市の図書館貸出冊数は30冊
貸出期間が2週間 である。
これに対して
B市の図書館 では 10冊の貸出冊数
3週間の貸出期間 である。

大学 においては
C大学図書館 貸出冊数が20冊
貸出期間が30日 である。
一方
C大学に付属する 法科大学院図書室
貸出冊数は5冊
貸出期間が2週間 である。

なぜ違うのか。
との質問を受けることがあります。

まずはこのように
各図書館でサービスが異なる
ということを
認識しておいてください。

それから
このような問い合わせもあります。

A図書館 では
利用者甲が現在借りている本を
一度返却手続きをしてから
再び同じ本を同一の甲が借りる。
つまり他の利用者の予約がなければ
永久に継続貸出しができる。
しかし
B図書館 では
借受期間満了前に返却手続きをして
同じ本を借りたいと要求したが
一日あけてからご利用ください。
と言われ
同一の本を同じ利用者が
連続で借りることができない。


A図書館では可能なのに
B図書館はなぜできないのか。

こういった問い合わせに対して
「決まりだから」 と答える
司書がいますが
利用者は “ なぜ ”
知りたいのであって
つっけんどんに「決まり」
と言われると腹も立つでしょう。

まあ
そういった答え方をする司書は
自分でもよくわかっていない人が
ほとんどでしょう。
そんな司書に当たったら
血圧も上がると思いますので
代わってお答えします。

まず
公共図書館の資料公共財 です。
公共財の特徴
非排除性非競合性 にあります。
非排除性 とは
対価を支払わなくても
誰でも自由に利用できることです。
非競合性 とは
ある人が消費しても無くならず
他の人の消費量に影響がない性質です。

経済学を修めている方ならば
通りが早いのですが
それ以外の方は

公共財 とは
多数の人々が同時に利用できる
モノやサービス。

ということを認識してください。
そして
多数の人々が同時に利用可能
ということは
「 占有できない 」
ということです。

例えば
公道の場合
通常は誰かが歩いていたら
歩くことはできない
ということはないですよね。
お金を払う必要もありません。

しかし 図書館の場合
誰かがある本を読んでいたり
借りていたら
他の人は読むことがでないので
“ 一定期間占有する ” ことは
やむを得ません。
これは
物理的に仕方がないことなので
多くの人に利用して(読んで)
もらうには
一定の合理的な貸出期間を
決める必要があります。


その期間を1週間とすると
読むには少し短すぎる。
1か月とすれば
多くの人に行き渡りづらくなるし
延滞も発生しやすくなる。
そこでこれらを総合的に鑑みて
その間を取って
2週間 もしくは 3週間 という
期間が設定されてきます。

また,補足すると
求める本や雑誌が
その自治体に無い場合は
他の自治体から
取り寄せることができるサービス

あります。
この場合
自治体間での貸借期間が
決められています
ので
その期間から
運送関係の日数を差し引いて
考慮した場合。
例えば
東京都の23区内 ならば
2週間が妥当 という結論になります。

それと
これは利用者が認識していない
ことが多いのですが
貸出期間2週間 といっても
例えば
資料を予約や取寄せをした場合
その利用者のために
確保しておく期間

1週間 としておく図書館が多く
実質は3週間
その利用者が占有
している
ことになります。

これは
利用者側も仕事などの都合もあり
資料が届いても
すぐに来られないので
まあ,仕事ならば
1週間に1日は法定休日が
ありますので
1週間あれば
通常取りに来ることが可能と考え
1週間と設定している
と考えられます。

この期間について
その資料を取り置いている場合
当の利用者は利用していませんが
他の利用者も利用できません
ので
誰も利用できない
“ 死蔵 ” の状態
になります。
これでは公共財としての
効用がありませんので
図書館(行政)側
多数の人が利用できるように
この 占有期間をできるだけ無くしたい
あるいは短くしたい
ところですが
先の理由から
合理的に考えられる最低ラインの
取り置き期間で設定
されている
と考えられます。

しかし
当の利用者側はサービスを
受けている認識がない
ので
よくトラブルが起きる
ポイントでもあります。

このように
まずは
合理的に算出された
取り置き期間を含めた貸出期間が決定

されます。


分量が多くなりましたので
貸出冊数の決定や
その他の問題については
次回以降に回します。


サービスの趣旨 としては
公共財の性質
一般人が利用しやすいと考えられる
最低限の占有期間

バランス を考え
それらの合理的な
落としどころで決定
される
と考えてください。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。

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